「深夜アニメ 闇夜の千本ノック」【2014年 秋】

70年代フォーマットと90年代コンテンツの融合!? 親子2世代をつなぐ『愛・天地無用!』【第一話レビュー】

2014.10.30

――食欲の秋! スポーツの秋! そしてアニメの秋!! 秋の夜長をさらになが~く熱くする新番組からお気に入りを見つけ出そう! 9~10月より放映開始された2014秋の深夜アニメの第一話をレビューして、オススメ作品をコンセルジュする連載「深夜アニメ 闇夜の千本ノック」! ※放送日などは全国ネット及びTOKYO MXに準拠します。

【10月6日(月)編】

■『愛・天地無用! 
第1話 「天地登場」

愛・天地無用!公式サイトより。

 梶島正樹原作、ねぎしひろし監督とアニメ制作AIC PLUS+による『天地無用!』シリーズの新作テレビアニメ作品。

 山奥の女子校・順愛学園へ教育実習生として赴任することとなった柾木天地。そこには生徒会長の川流もも、剣豪のハチ子、怪力娘の鬼ノ城紅、そして指導教官の栗原有漢ら個性豊かな面々が待ち受けていた。いつでもどこでも女難のトラブルに巻き込まれる天地だったが、しかしこの学園に来た本当の目的は、ある人物の起こした大事件から世界を救うことにあったのだ……?

 かつて70年代には『カバトット』『かいけつタマゴン』『ウリクペン救助隊』など、5分枠のミニアニメが平日の夕方の帯番組として放映されていました。これらはキッズ向け作品として人気を博していたのですが、まさか21世紀となった現代のアニメ界に『天地無用!』シリーズがこのフォーマットで復活するとは思いませんでした!

 92年発売、ハーレムアニメのはしりともいうべきOVA『天地無用!魎皇鬼』シリーズを皮切りに、テレビシリーズ・映画版・マンガ版・小説版・スピンオフ作品と、さまざまに派生してきた天地ワールドですが、今作でも主人公・天地を演じ続けている菊池正美さんの声はいまだ若々しく変わらない安心感があります。キャストの皆さんも旧作より引き続き演じておられますが、唯一阿重霞だけは今までファンが親しんだ高田由美さんから七緒はるひさんという新キャストの引継ぎとなっています。

 本編4分、一説には全50話と噂される本作ですが、何故突然このようなミニ番組として復活したのか? 正確な事情はわかりませんが、尺が短いショートアニメはネット配信に向いているという最近の事情が関係しているのかもしれません。それでも10時台の放映にしては驚きものの豪快なパンモロ描写もあり、若い世代のアニメファンにも受け入れられる素地は十分にある感じ。

 今やウルトラマンや仮面ライダー、ガンダムといったキャラクターは親子2世代で楽しむコンテンツとして浸透していますが、70年代フォーマットと90年代コンテンツの融合がテン年代にショートアニメとしてよみがえるという奇跡を起こした本作も、若いアニメファンとオールド世代オタクとの橋かけになる可能性を秘めているのではないでしょうか。

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魔法少女プリティサミー』『異世界の聖機師物語

(文/出口ナオト)

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