「深夜アニメ 闇夜の千本ノック」【2014年 秋】

美少女アニメ版『エクスペンダブルズ』か!? 『天体のメソッド』【第一話レビュー】

2014.10.29

――食欲の秋! スポーツの秋! そしてアニメの秋!! 秋の夜長をさらになが~く熱くする新番組からお気に入りを見つけ出そう! 9~10月より放映開始された2014秋の深夜アニメの第一話をレビューして、オススメ作品をコンセルジュする連載「深夜アニメ 闇夜の千本ノック」! ※放送日などは全国ネット及びTOKYO MXに準拠します。

【10月5日(日)編】

■『天体のメソッド 
第1話「円盤の街」

天体のメソッド公式サイトより。

 久弥直樹原案、迫井政行監督とアニメ制作・Studio 3Hzによるオリジナルテレビアニメ作品。

 中学3年生の少女・古宮乃々香は、父親の転勤で霧弥湖町に7年ぶりに帰って来る。かつてこの街の上空には謎の円盤が出現して大きな騒ぎになったが、何もせず浮かんでいるだけの円盤にいつしか人々は興味を失い、今は平穏な暮らしを続けているのだ。あわただしく片付けをしていた乃々香だが、いつの間にか家の中に不思議な少女ノエルが上がり込んでいた。二人の出会いがこの街と人々の時を動かし、新しい物語をもたらしてゆくのであった……。

 ラノベ原作やゲーム原作が主流を占める深夜の美少女アニメ群に、オリジナル企画作品が登場。とはいえ、原案と脚本を担当する久弥直樹さんはかつてPCソフトメーカーKeyに所属し、『Kanon』の企画と脚本、そしてテレビアニメ『sola』の原案と脚本を担当するなど、いわば美少女畑の生え抜きエリート。キャラクター原案を担当するのは、これまたこの秋からアニメ化されているゲーム『ガールフレンド(仮)』に携わったQP:flapper。アニメ制作を担当するStudio 3Hzは本作が初制作作品となる新興スタジオ。そして、番組提供スポンサーのクレジットもバンダイビジュアル・ランティス・KADOKAWA・ブシロードと、深夜アニメ界四天王とも言うべきそうそうたる金看板が並び、なんとしても本作をヒットさせるのだという水も漏らさぬ鉄壁の予告ホームラン体制を牽いています。これはもしや美少女アニメ版『エクスペンダブルズ』なのか!? という気分にさせてくれますね。

「天体」と書いて“そら”と読ませるなど、タイトルからしてニヤリとさせる仕掛けを感じる本作ですが、洞爺湖がモデルと思しき霧弥湖や、道内中心のコンビニチェーン・セイコーマートのような“サイコーマート”、札幌駅バスターミナルや北海道限定商品の『い・ろ・は・す ハスカップ』が写ったりと、ご当地アニメ感これでもかのてんこ盛り。北海道舞台のアニメとして、これから冬に向かう季節、直接の聖地巡礼の旅行はなかなかに厳しくなりそうですが、寡作で知られる久弥直樹作品のブランド力が今の深夜アニメ界に風穴を開けることが出来るか否や? 大いに期待大、といったところでしょうか。

【こんな作品のファンにもオススメ】
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『sola

(文/出口ナオト)

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