専業同人作家、必見! 日本ネットクリエイター協会に聞く、同人活動で知っておきたい税・保険の知識

――貴団体側への加入条件はあるのでしょうか?

仁平 ネット媒体を利用したクリエイターで、その活動によって収益を得ている方でしたら広く対象とさせていただいています。ボカロPが当協会設立のきっかけではあったのですが、ボカロPに限らず、ゲームのクリエイターやネット関連のデザイナー、イラストレーター、ライターの方もそうですね。また、紙の同人誌の売買で収益を得ていて、その宣伝にニコニコ動画やピアプロなどを使っているといった間接的なネット利用の方も受け付けております。今までの文美国保の加盟団体には、同人などのいわゆる「n次創作」をしているクリエイターの受け皿がなかったのですが、当協会がその役割を担えれば、と考えています。

――同人活動とネットは切っても切り離せない関係ですから、対象となる方は多そうですね。

仁平 着うたもそうですが、作ったものがさまざまな環境で提供されることで収入が大幅に増えたクリエイターを実際何人も見てきました。そうなると翌年の国保も一気に跳ね上がってしまいます。今LINEスタンプで月収が数十万円以上、という方もいらっしゃいますが、ぜひ検討していただきたいですね。

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「趣味の領域で同人活動をしている」から「同人活動で生計を立てる」まで、一口に同人クリエイターと言っても、その財布事情はさまざまだ。どちらにしろ、お金が苦しいからオタク活動から身を引く、ということにはなってほしくない。税や保険の知識は、困ったときや、独立したばかりのころほど、自分を守ってくれる。国や組織というのは個人から搾取するだけの悪い存在と思いがちだが(ネットではそういう意見をよく見かける)、それはよく知らないだけであり、実際はいいところやいい制度もたくさんある。それらを知った上で活用するのが“大人”だろう。“大人”の同人クリエイターが増えることは、同人世界の信頼性と可能性を広げるはずだ。
(取材・構成/石徹白 未亜)

■日本ネットクリエイター協会
http://www.jnca.or.jp/

石徹白未亜
ライター。「脱ネット」でなく「節ネット」するための新しいインターネットとの付き合い方を書いた『節ネット、はじめました。』が発売中。
いとしろ堂 <http://itoshiromia.com/

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