「深夜アニメ 闇夜の千本ノック」【2014年 秋】

深夜アニメの限界に挑む今期最大の問題作!? 『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』【第一話レビュー】

――食欲の秋! スポーツの秋! そしてアニメの秋!! 秋の夜長をさらになが~く熱くする新番組からお気に入りを見つけ出そう! 9~10月より放映開始された2014秋の深夜アニメの第一話をレビューして、オススメ作品をコンセルジュする連載「深夜アニメ 闇夜の千本ノック」! ※放送日などは全国ネット及びTOKYO MXに準拠します。

【10月4日(土)編】

■『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 
第1話「堕とされた皇女」

 企画・原作サンライズ、芦野芳晴監督とアニメ制作・サンライズによるオリジナルロボットアニメシリーズ。

 マナと呼ばれる情報技術の開発によって、人類が地球上のあらゆる問題を解決することに成功した未来。しかしその一方で、マナの力を使いこなせない人々も存在していた。彼らは地上に存在してはいけないイレギュラーな者たち……「ノーマ」と呼ばれ、差別されあるいは平然と虐殺の対象とされた。戴冠式の直前にノーマである事が発覚したミスルギ皇国第一皇女・アンジュリーゼは囚われの身となり、次元を超えて侵略してくるドラゴンと戦う巨大兵器「パラメイル」の操り手として最果ての地アルゼナルに流されてくるのだが……。

 結論から言ってしまうと今期一番の問題作だと断言します! 「美少女+巨大ロボット物」という安直売れ線の内容を期待した視聴者の脳天を直撃するかの如き陰湿な人種差別描写、乳児の惨殺、アンジュリーゼの受ける過剰な拷問か陵辱かとも見紛う身体検査などなど、深夜アニメのレーティング限界に挑むかのような超過激エクストリーム描写がてんこ盛りです。

 本作のクリエイティブプロデューサーを務めるのは『機動戦士ガンダムSEED』及び『SEED DESTINY』の監督として知られる福田己津央さん。「あっ、どこかで見たような……?」と記憶を呼び起こす本作のオープニングの演出も担当されておます。監督を務める芦野芳晴さんは、『魔法少女まどか☆マギカ』1話から3話までの絵コンテを担当。丁寧な日常描写と強烈な戦闘ビジュアルで作品の方向性を印象つけた方。また浴衣を脱がされた月火の乳揉みカット、シュールなドーナツ連発描写、月火の人体吹き飛ばしシーンなど、問題演出続発とされる『偽物語』の第10話「つきひフェニックス 其ノ參」の絵コンテも芦野さんの担当作です。

 この秋、『ガンダム Gのレコンギスタ』『ガンダムビルドファイターズトライ』と良作を発表してきたサンライズが、最後の隠し球としてアニメ界のお騒がせスタッフを集めて放った趣もある本作。

 最後までフルアクセルで突っ走って、時代を動かした過激な記念碑となるのか? 途中息切れして世紀の残念作となるのか? アニメファンなら歴史の目撃者としてとにかく視聴して損はない一作と言えるでしょう。

【こんな作品のファンにもオススメ】
コードギアス 反逆のルルーシュ』シリーズ、『奏光のストレイン

(文/出口ナオト)

深夜アニメの限界に挑む今期最大の問題作!? 『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』【第一話レビュー】のページです。おたぽるは、アニメ作品レビューの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!