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練習場所を巡ってユニット同士で喧嘩をしたことも… 仮面女子の苦難、想い、成長…そして結束が詰まった2ndワンマン

2014.10.17

「私たちは地下アイドルです。最近は、“全然、地下アイドルじゃないじゃん”って言ってくださるうれしい言葉もありますが、でも、まだまだ地下アイドルです。まだメジャーデビューもしていない、毎日ひとつひとつのライブをすることで、みんなに元気を与えたいと思う、ちっぽけな存在です。それでも最初の頃は、今と比べ物にならないくらいひどい状況で、練習する場所もなかったので、事務所での練習を巡ってユニット同士で喧嘩をしたり、屋外ばかりで練習していたら、蚊に刺されてひどい状態でステージに立ったり、ライブができても変な写真を撮られて投稿されたりすることもありました」

「ビラ配りも、今でこそ秋葉原はホームのように温かい場所になっていて、『仮面女子です』と言ったらもらってくれることも最近はありますが、最初の頃は見向きもしてくれないし、もらってくれてもすぐに捨てられたり、素顔をみせてほしいと言われて仮面を取ったら、『なんだ、ババアじゃん』って言われたりして、辛くてビラ配りが怖くなることもありました」 

「それでも、応援してくれるファンのみなさんがいるから、私たちはどんなにひどいことを言われても、前だけを向いて、ここまで突き進むことができました。5月3日の初めてのワンマンライブはソールドアウトには至らず、今回は絶対に成功させたくて、一日も一時も無駄にすることなく、メンバー全員で声を掛け合い、高め合って、最高の今日を迎えることができました。それも本当にみなさんのおかげです」

「まだまだ仮面女子には、これからもいろんな試練が待ち受けていると思います。でも、私たちは雑草魂でここまで這い上がってきたので、ここからどんな仕打ちを受けても、絶対に負けません。みんなが応援してくれている限り、前だけを向いて、突き進んでいきます。目の前の事を一生懸命、命を削って這っていけば、必ず目標に近づいて夢が叶う日が来ると私は信じています」

「さいたまスーパーアリーナのワンマンライブは、本当に驚きすぎて言葉が出なかったのですが、地下アイドルの仮面女子に不可能はないと思います。これからも一歩一歩未来に向かって着実に突き進んでいくので、これからも応援をよろしくお願いします」

 今でこそ、常設劇場のP.A.R.M.Sを秋葉原に構え、“最強の地下アイドル”としてSUMMER SONIC 2014など日本有数の音楽フェスにも出演する仮面女子。しかし、“仮面女子”というユニットの基盤を作ったと言えるアリス十番を振り返ると、現在に至るまでにも多くの苦難があった。

 そんなMCを聞いていると、ちょうどアリス十番の思い出に触れた2回目のMC前のステージで歌っていた「シンデレラ」や「つけMEN☆極MEN」「つけ麺☆OMD」は、前回のワンマンライブでも盛り上げ曲として披露されていたが、今回は違った意味も持っているように思えてくる。

 アリス十番だけで歌った「シンデレラ」は、アリス十番の母体となったユニット、「ぴゅあふる」のデビュー曲だし、仮面女子で歌った「つけMEN☆極MEN」「つけ麺☆OMD」は、「大つけ麺博」の期間限定のユニット、トッピング☆ガールズの楽曲だ。トッピング☆ガールズは、仮面女子の事務所、アリスプロジェクトがアイドル事業を始めるきっかけとなった初めてのユニット。今回歌った2曲は、初代トッピング☆ガールズの曲ではないが、すべての原点となったユニットの曲を、仮面女子が歌い上げる姿に、現在に至までに流れる歴史を重ねてしまう。

 今回のライブは、仮面女子としての結束や意識を高め、その歴史を噛み締めて次へと進むきっかけ――否、“仮面女子”として、ようやく彼女たちがスタートラインにたったライブだったと言えるだろう。興行的には、目標としていたチケットの完売が達成できなかったので、失敗だったかもしれない。しかし、彼女たちにとって後悔と反省しか残らなかった前回のライブを思えば、“仮面女子”として次を見据えられる成長をみせられた今回のライブは、リベンジを果たせたと言っても過言ではない。彼女たちの次の目標は、来年のさいたまスーパーアリーナでのワンマンライブ。今は誰もが、本当に成功するのか疑問しか抱かない状態だ。しかし、何もないところから、這い上がってきた彼女たち。1年後には、アイドル史に残る伝説を築いていると信じたい。
(取材・文/桜井飛鳥)

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