100巻までの制作秘話も! くまモンもお祝いに駆けつけた『あさりちゃん』ギネス認定式in 熊本

1410_asari1.jpg室山まゆみさんのギネス世界記録認定式の様子。写真左から、ギネス・ワールド・レコーズ公式認定員の小川エリカさん、室山眞弓さん、室山眞里子さん、くまモン。

 10月13日、『あさりちゃん』(小学館)のマンガ家・室山まゆみさんのギネス世界記録認定式が行われた。9月10日にギネス認定が公式発表され、待ち望んでいたファンがイオンモール熊本に集った。

“室山まゆみ”というペンネームは、室山眞弓さん・眞里子さんの姉妹名義である。マンガの制作において、妹の眞里子さんの下絵に姉の眞弓さんがペン入れ、仕上げは2人でという二人三脚で行ってきた。

 イオンモール熊本内のイオンシネマにて、ギネス・ワールド・レコーズ公式認定員の小川エリカさんから認定証が授与された。子供の頃、アメリカに住んでいた際に『あさりちゃん』を愛読していたという小川さん。そのことも相まって「このように本当に素敵なお祝いの場に立ち会うことができて嬉しく思っている」と挨拶した。

『あさりちゃん』のギネス認定理由は「女性作家2人組による1コミックシリーズ最多発行巻数」である。マンガ連載は1978年から実に36年間、コミックスは80年に第1巻、今年2月に最終巻となる100巻を刊行した。小川さんからギネス認定証を授与された後、眞弓さんは「36年間描き続けてきたご褒美」、眞里子さんは「仕事をしてきただけなのに記録が残るというのは凄く嬉しい」と喜びを表した。

 続いて2人の出身校である熊本女子商業高等学校(現:熊本国府高等学校)の高田憲清校長らも登壇。高田校長は「改めてコミックスの第1巻を見ると、13号だけど第1話が台風の話」と、まさに台風19号が九州を横断している中でのギネス認定式に感嘆すると、会場もその偶然にどよめいた。

 それから熊本ということで、やはり「くまモン」も登場。くまモンは2人にプレゼントとして県の特産である新高ジャンボ梨と太秋柿を手渡すと、先生からのお返しとして受け取ったサイン入り色紙に大喜びしていた。

1410_asari2.jpgウエストスクエアでサイン会も行われた。

 続いてトークショー&ライブペイントに移った。トークショーでは眞弓さんがファンからの質問に答えていた。「100巻で終わりにするのはどのくらいの時期に決めたのか?」との質問には、「100巻まで続くというのが夢のような話だと思っていた」と眞弓さん。「90巻を過ぎたあたりから発表の場として学年誌が減ってきたし、どの程度までやっていけるかという不安があった」と明かした。「95巻を過ぎて、一応目安として『100巻を目指そう』と編集さんや周りからの勧めがあって、『そこまでは頑張ろう』と。中途半端な形よりは綺麗な形で終わりたい」との意向があったという。

『あさりちゃん』は“1巻から10巻くらい”“12巻くらいから45巻くらい”そして“それ以降”と、若干絵柄が変化していることでも知られる。それでも、「80巻、90巻で自分では充分変わったと思っているのに『ちっとも変わってませんね』とのファンレターをもらう」という。100巻の表紙が1巻のオマージュになっているのは「『そうじゃない。(絵柄は)こんなに変わったんだ!』というのを見せたかった」のだとか。絵柄が変化した理由として、「ギャグマンガは少年マンガっぽくなきゃいけないかなと思って線を太めにしていたけれど、途中から線を増やして少女マンガ路線で女の子らしく」という経緯もあるようだ。

 眞弓さんのトークの一方、ライブペイントでは下絵を担当していた眞里子さんが黙々と執筆。この色紙は抽選3名によるリクエスト制で、あさりちゃんの姉・タタミちゃんを連続で描いた後、最後にあさりちゃんを描いた。ちなみに当選した3人目は、年の離れた姉が『あさりちゃん』を好きだったことから“あさり”と命名された女性! 彼女にとって一生の思い出となる出来事となったであろう。

 その後、イオンシネマからウエストスクエアに場所を移し、サイン会も実施された。こちらでもサインを求める列が続き、『あさりちゃん』が長きに渡り世代を超えて愛されてきた作品であることが実感できた。
(取材・文/真狩祐志)

■『あさりちゃん』のへや
http://family.shogakukan.co.jp/kids/netkun/asari/

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