“ありのままの姿”になるべきはドラマの方!?　原作はどこかへ行ってしまったドラマ『地獄先生ぬ～べ～』

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　自分の姿を見失った法子がだんだん追いつめられていく中、家の鏡や窓に天狗や河童などが現れるなど、2年3組の生徒たちにも異変が。ここでは原作でもお色気担当と知られる細川美樹（演：佐野ひなこ）のお風呂上がりの姿が見られました。Fカップの佐野ひなこはグラビア活動もしているだけあって、今後のお色気シーンに期待して良いかも!?　一方、自分も河童を見てしまった怪奇現象オタクの栗田まこと（演：「Hey! Say! JUMP」知念侑季）は、童守高校の七不思議を調べ、家庭科室の鏡を夜の12時に覗くと、その者の真実の姿を映すという「真実の鏡」をつきとめます。また、ここで出てくる河童や天狗など、妖怪のCGは良く出来ていて、中でもおっさんキャラの「美術室の頭像」といった、怖いけどちょっとかわいい妖怪が印象的でした。

　そして、法子のためにまこと、立野広（演：中川大志）、木村克也（演：吉沢亮）、稲葉郷子（演：松井愛莉）、美樹、高橋律子先生（演：桐谷美玲）は「真実の鏡」を調べるために夜の学校を調べに行くことに。しかし、12時ぴったりになっても何も起こらない様子を確認した一同は、法子とまことを置いて家庭科室を出てしまいます。この時点で、「いったい何をしに来たんだ君たちは！」と突っ込みたくなりつつも、そこに妖怪「雲外鏡」が登場！　鏡の中に法子をひきこもうとしますが、パトロール中のぬ～べ～が駆けつけ妖怪を退治。そのシーンは、それなりに格好良く、鬼の手も決まっていました。鬼の手として封印されている覇鬼を演じる坂上忍もなかなか迫力があったけど……。その前に「鬼の手」の中で、恩師・美奈子先生（演：優香）と3人で会話をしていた時は、覇鬼というか、坂上忍らしい辛口なセリフが炸裂していました。けど、確か覇鬼ってあんまりしゃべらないキャラだったような……。

　また、好き嫌いはあるかもしれないですが、ぬ～べ～演じる丸山くんの演技自体は悪くなく、役もそこまでミスキャストじゃないと思えました。でも玉藻先生など、ほかのキャラの印象が強すぎて、地味な印象になってしまったのがもったいないなと。

　全体を通しては、小さなことにばか騒ぎする男子キャラや、美樹など法子に対する言葉はかなり鼻についたし、高校生にしては幼い印象を受けました。さらに第1話は、「本当の自分の姿」をテーマにした物語でしたが、この言葉をもう聞きあきたのは私だけ？　流行っているとはいえ、何度も出てきて「ありのまま」と歌まで歌っちゃうのはちょっと興ざめ。ほかにも、妖怪を信じない生徒が「（妖怪を）“ウォッチ”で見てみま～す」とセリフに細かい流行を入れたり、法子の心を開かせるためにぬ～べ～が松岡修造風の熱血教師になったりと、オマージュを入れたりするのは良いとは思うけど、ちょっとやりすぎだったかな!?

　またキャストが発表された時点で賛否両論あった雪女のゆきめ（演：知英）は……どうなんでしょう。かわいいし頑張ったんだろうけど、やっぱりカタコトなセリフは違和感が残ります。また、葉月いずな（演：山本美月）も今回は出番が少なかったので、あまり目立たなかったけど……今後の活躍に期待です。

　第1話をまとめると、キャストもストーリーも原作無視を通り越して、原作ってなんだっけ？　という状態。いっそのこと、原作とは違うものと思って観た方が逆に楽しめるかもしれません。また、ちょっとコメディに寄り過ぎという意見も多いですが、いっそコメディを極めたほうが面白くなるのではと私は思いました。そのような中、第1話の視聴率は13.3％（関東地区）となかなかの好スタート。また、ドラマの公式Twitter（@DramaNube）によると、新潟、中京、静岡などでは18～20％の視聴率を記録したそうです。しかし、ネットでは酷評が多々見られました。ですが、回を重ねるごとに面白くなっていくドラマはたくさんあるので、『地獄先生ぬ～べ～』も今後の展開に期待してもいいのでは。

　そして、次回は早くも文化祭！　第1話の黒幕を匂わせた玉藻とぬ～べ～が対峙するよう。予告に「信頼を取り戻すことはできるのか!?」とありましたが、第1話では生徒から小ばかにされている感じにしか見えなかったぬ～べ～。いつ信頼を得ていたのでしょうか……。ですが、生徒とぬ～べ～が信頼関係の構築していくという部分がドラマのキモになっているような雰囲気も見受けられたので、生徒とぬ～べ～がどうなっていくのか、楽しみにしていきたいと思います。
（文／水羽舞）

 
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