また、単なる原作の模写ではなく、イラストエッセイ風に描いているので、イラストだけ読んでも十分面白いのです。『スポーツマン金太郎における巨人軍のここがイヤだ!!』などの原作へのツッコミ(勝つためには熊とも契約する、って……)、『巨人の星』のお姉ちゃんの全ファッションカタログ、喜国流「恐怖新聞」の誌面、トシちゃん25才着せ替え、『できんボーイ』効果音当てクイズ、『翔んだカップル』の連載開始時と終了時のキャラクターの変化など、さまざまな切り口でその作品を遊んじゃっています。しかも、しっかりと作品への愛が感じられるところが素晴らしい。
『めぞん一刻』における髪の毛のホワイトの使い方や、『六三四の剣』の仕上げの美しさ、『男一匹ガキ大将』での引きのテクニックなどに言及しているのも、さすがに同業者ならではの視点ですね。
この喜国氏のマンガ紹介イラストエッセイだけでも、もっと読みたくなってきます。どこかで新たに連載してくれないものでしょうか。
ちなみに、巻末に紹介作品の主な連載期間という年表が掲載されていて、合わせて社会の出来事や当時の首相も併記。マンガというのが、いかに時代とリンクして描かれているかということがよくわかります。オマケで高取英、喜国雅彦両氏の年表も載せられているのはご愛嬌。これも細かくてなかなか面白いんですよ。細かいところまで楽しめる一冊です。
安田理央(やすだ・りお)
1967年、埼玉県生まれ。主にフリーライター。及びアダルトメディア研究家、ニューウェーブ歌手、など。主な著書に「日本縦断 フーゾクの旅」 (2004年 二見書房)「エロの敵 今、アダルトメディアに起こりつつあること」(2006年 翔泳社 雨宮まみと共著 )、「45歳からのアニメ入門」(2013年 Kindle 田口こくまろと共著)などがある。
●公式サイト<http://www.lares.dti.ne.jp/~rio/>
●公式ブログ<http://rioysd.hateblo.jp/>
『巨人の星』星明子の全ファッションカタログに喜国流「恐怖新聞」の誌面まで!細かすぎる『少年マンガ画報』が面白いのページです。おたぽるは、人気連載、書籍、ホビー、連載、安田理央、特殊古書店ダリオ堂の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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