最大の問題シーンは“トイレ”!? ガンダムファン騒然の『ガンダム Gのレコンギスタ』

――毎日、何本ものアニメが目まぐるしく放送されている現代日本。これだけ放送本数が多いと、見るのだって一苦労……。そんな悩める現代オタクのため、「おたぽる」がオリジナル作品を中心にテレビアニメ・レビュー! これさえ読めば、気になるあのアニメのあらすじから評判までがまるわかり!!※本文中には“ネタバレ”が含まれていますので、ご注意ください。

■『ガンダム Gのレコンギスタ
第3話「モンテーロの圧力」

【今週の極私的見どころ!】
 ガンダム35周年記念作にして、待望の新作トミノ・ガンダムということで大きな注目を集める中、スタートした『ガンダム Gのレコンギスタ』第1話・第2話は、富野由悠季監督作品らしい圧倒的な情報量とドライブ感満点のストーリー、メカの魅力を十二分にアピールする演出など、見所満載にして満足度の高い内容でした。

 謎のMS(モビルスーツ)・G-セルフ。それに乗ってやってきたラライヤ(CV:福井裕佳梨)、アイーダ(CV:嶋村侑)という正体不明の美女たち。被差別階級・クンタラの存在。世界のエネルギー資源であるフォトン・バッテリーをするスコード教と、フォトン・バッテリーを回収する施設キャピタル・タワーを守護するキャピタル・ガード。そこを強襲する、アイーダたち海賊部隊。そして、アイーダ、ラライヤ以外には動かせないというG-セルフを動かせてしまった主人公・ベルリ(CV:石井マーク)の秘密……。今後の波乱を感じさせるキーワードの数々が出そろったところで、第3話がスタートです。

【今週のおすすめ度】
★★★★★
(前回のあらすじはこちら

■水面下でうごめく各キャラクターの心情に注目

 海賊との戦闘を終え、跪くG-セルフの足元でキャピタル・アーミーとキャピタル・ガードの調査部が何やら衝突。どうやらアイーダやG-セルフを今後どちらが管理するかでもめているようです。結局、キャピタル・ガード調査部を率いる人物でありキャピタル・アーミー創設者のクンパ大佐(CV:広瀬彰男)が、調査部でこれらを管理することを決定。一方、このやりとりの横で、ルイン(CV:佐藤拓也)がキャピタル・ガードと交流するシーンが描かれます。

 それぞれの人物が、各々の思惑を巡らせている感があり、視聴者の心はざわつきます。う~ん、ちらほら見え隠れするルインとマニィ(CV:高垣彩陽)のクンタラカップルのダークな面がどうにも嫌な予感をもたらしますネ。エンディングの絵の件もあり、悪堕ちもそう遠くはない?

 その後、ベルリは帰宅しますがノレド(CV:寿美菜子)もなぜか一緒にベルリ宅に上がりこみ、母親の前でちゃっかり彼女アピール。押しが強い肉食系なノレドに対し、さほど強く反発せずにスルー気味な草食系男子・ベルリ君です。彼は、母親の政治力でアイーダを解放できないか相談。ノレドからもツッコまれていましたが、どうやら本気で一目ぼれしちゃってるみたいです。しかし、それが恋心なのか、単なる年上の女性への憧れなのかは、視聴者はもちろん本人にもわかっていない様子。

 年下の少年、もしくは恋に初心な主人公が年上の女性に憧れる……という構図は、富野アニメでは他の作品でもわりとあったりします。主人公キャラに限るとアムロとセイラさん(『機動戦士ガンダム』)、ウッソとカテジナさん(『機動戦士Vガンダム』)、勇と比瑪(『ブレンパワード』)あたりでしょうか。何もないまま関係が終わるのか。悲劇的な結末を迎えるのか。ハッピーエンドを迎えるのか……それはまだわかりませんが、意外と行動派なベルリは、翌朝、早くにクンパ大佐のもとに向かいます。

■衝撃! リギルド・センチュリーのMSはトイレ付!?

 こんな感じで今後の展開を示唆するヒントがバンバン飛び出した第3話ですが、その一方でロボットアニメならではの、思わずうなってしまう演出も多数飛び出してきました。

 その一つが、お調子者のボンボンパイロット(ただしエース)というまるで初期マシュマー・セロを思わせる新キャラクターのクリム・ニック(CV:逢坂良太)絡みのシーンです。初登場時は、MS・モンテーロのコクピットハッチに立ち、クルーに大演説をぶつクリム。そんな彼に、アメリア軍の戦艦・メガファウナの艦長ドニエル・トス(CV:辻親八)は「そこに立ってると落ちますよ!」と注意します。巨大ロボットがある状況を使ったキャラクターの自然なやりとりが、物語にちょとしたアクセントをつけます。また、モンテーロのボディの構造が前回登場したMS・グリモア同様、コクピットブロックを上半身と下半身で挟み込むものという点も、海賊とアメリア軍の関係性を示唆しています。

 そして今回最大の問題のシーンが、モンテーロのコクピット内でのトイレ描写です。なんと、モンテーロのシートはトイレも兼ねていることが今回発覚しました。しかも、ご丁寧にクリムがチャックを上げつつティッシュを流すという描写付きです。これにはネット上も騒然。「なんというクソアニメww」「トイレ付MSwww」と驚きの声が続々。これまでガンダムワールドでは、『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』の「オムツ持参でお供します!」というコウ・ウラキのセリフにもあるように、パイロットはスーツ内に装備されているオムツに用を足している、という設定が定着していましたが、宇宙世紀から2000年も経過した『Gレコ』の時代では、MSにトイレ機能が追加されていたそうです。なんという技術革新!

■G-セルフ奪取シーンに見る、現代人の危機意識問題

 さて、そんな衝撃のシーンの後、クリムによるアイーダ奪還作戦が発動します。

 ビーム状の鞭を発振するジャベリンを駆使して、キャピタル・アーミーのMS・レックスノーを撃破していくクリム。キャピタル・アーミーは新設軍らしく、まったく戦場に適応できていません。1000年以上大きな戦争がなかったことから、軍人の練度もあまり高くない様子。平和ボケの代償といったところでしょうか。

 そんな平和ボケを象徴するシーンがもう一つ。アイーダがG-セルフに乗り込んで、そのまま出撃してしまうシーンです。クンパ大佐の発言を元にG-セルフのもとへと向かうベルリ、アイーダ、ノレド、ラライヤの4人。ネット上では「なぜ捕虜を自由に行動させるのか」「なぜベルリたちは止めないのか」と疑問を呈する声もあがっていますが、クンパ大佐の白々しい状況報告やセリフなどから、彼が「G-セルフをベルリたちが勝手に使用する状況」を作ったことは明らか。何かの目的のために、あえて彼らを泳がせているものと思われます。

 そして、ベルリの不可解な行動ですが、まずまさかアイーダが本当にG-セルフを動かして逃亡するとは思ってなかったのと、彼がアイーダに惚れちゃってるがゆえの甘さだと思われます。つまり、現代っ子のベルリは、それくらい危機意識が低い少年だということです。これは先日の御嶽山の噴火の際、亡くなられた方の多くが携帯電話やスマホ片手に倒れていた……というニュースを連想させます。現代人は危険な状況に対してそれくらいセンサーが鈍っているということなのでしょうか。

 一方、クンタラという被差別階級のノレドは、かなり早い段階でアイーダを止めようと実力行使しています。ここも、ベルリとノレドの危機意識の温度差が感じられて興味深いシーンでした。

 結局、アイーダとともにG-セルフに乗り込んだベルリ、ノレド、ラライアたちは、そのまま海賊のもとに向かうことになってしまいます。仕組まれた(と思しき)アイーダの逃亡劇とはいえ、ベルリがそれに同行することになったのは彼のヌルい現状認識ゆえ。この彼の感覚が今後どのような事態を引き起こすのでしょうか……? ともあれ、ついに物語は動きだし、壮大な冒険アドベンチャーの幕が上がりました。先行上映イベントも3話までしか上映されなかったということで、ここから本当に誰もが知らない未知のストーリーが始まるというわけです。

 にしても、最後の最後でベルリが女子のいるコクピット内で用便するシーンは爆笑でした! しかも、ご丁寧に消音用の歌が流れる機能がついているとは! さすが主人公MS・G-セルフ。まだまだ隠された機能がありそうですネ!

 そして、今週の次回予告の最後のセリフは「見たくなくても、見ろ!」でした。
(文/受動 明日)

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