「深夜アニメ 闇夜の千本ノック」【2014年 秋】

“リアルロボットもの”を築いた富野監督の演出手腕は衰えず!『ガンダム Gのレコンギスタ』【第一話レビュー】

――食欲の秋! スポーツの秋! そしてアニメの秋!! 秋の夜長をさらになが~く熱くする新番組からお気に入りを見つけ出そう! 9~10月より放映開始された2014秋の深夜アニメの第一話をレビューして、オススメ作品をコンセルジュする連載「深夜アニメ 闇夜の千本ノック」! ※放送日などは全国ネット及びTOKYO MXに準拠します。

【10月3日(金)編】

■『ガンダム Gのレコンギスタ 
第1話「謎のモビルスーツ」 2話「G-セルフ起動!」

 原作:矢立肇・富野由悠季、総監督・富野由悠季、アニメ制作・サンライズによる『機動戦士ガンダム』テレビシリーズ最新作。

 人類が初めて宇宙進出を果たした宇宙世紀が終わり、新たなリギルド・センチュリーが始まって1000年が過ぎた時代。地球はキャピタル・タワーと呼ばれる軌道エレベーターを通じて宇宙からもたらされるフォトン・バッテリーによって繁栄していた。キャピタル・ガード候補生の実習生ベルリ・ゼナムは宇宙空間での訓練中、フォトンバッテリー強奪のため襲来した宇宙海賊の女アイーダ・レイハントンと彼女の繰る高性能モビルスーツ・G-セルフに遭遇。戦闘の末G-セルフとアイーダの捕獲に成功したベルリは、なぜかプロテクトがかかっているはずのG-セルフの起動に成功してしまうのだが……。

 今年春の製作発表以来、大きな反響と期待の声をもって迎えられた『機動戦士ガンダム』シリーズの最新作となるのが、この『ガンダム Gのレコンギスタ』。富野監督ご自身が手がけるテレビシリーズとしては99年の『∀ガンダム』以来、実に15年ぶりとなる作品。

 この夏に先行劇場公開・ネット配信されて多くのファンが視聴した本作ですが、ついに地上波での放送が開始。ファンサービスの初回1時間のSP放送というスペシャルな体制ながらも、東京では世界バレー中継延長のため40分遅れでスタートという波乱の幕開けとなりました(笑)。

 ナレーションによる状況説明などもなく、キャラクターの名前もわからないうちからいきなり大気圏をチェイスするモビルスーツと「坊主頭に先を取られた!」で始まり、面食らった視聴者も多かったと思われます。脚本も富野監督が手がけられているとのことで、いわゆるトミノ節と称される独特のセリフ回しが炸裂、連発される専門用語も慣れていない人にはとっつきづらく感じられたのは否めないでしょう。

 しかしながら、密度の濃い緻密な作画や、スピーディーな空中チャンバラアクションを排し、手描き作画でモビルスーツの重さを感じさせるどっしりした戦闘描写などはさすがで、“リアルロボットもの”というジャンルをファーストガンダム1作で築きあげた演出手腕衰えず! といったところ。毎週毎週ぶつ切りで見るのではなく、むしろ数回分をまとめて一気に鑑賞することで世界観を把握して理解しやすくなるタイプの作品だと感じました。

【こんな作品のファンにもオススメ】
∀ガンダム』『亡念のザムド

(文/出口ナオト)

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