やっぱり編集者が必要? 竹熊健太郎が語る「オンラインマガジン『電脳マヴォ』の挑戦」

■「電脳マヴォ」が世に送り出してきたもの

『サルでも描けるまんが教室(作画:相原コージ)』『ファミ通のアレ(仮題)(作画:羽生生純)』などで知られてきた竹熊さんだが、03年度から多摩美術大学の共通専門教育科目「漫画文化論」を担当している。その開講初年度に700人の受講希望者を抱えた際、採点が面倒なこともあり、課題を“マンガでも可”にしたところ、これも才能の発掘に寄与することになったという(これまでの受講生には大友克洋さんの実子でイラストレーターの昇平さんもいた)。このくらいの規模の受講者数だと2、3作品は「おや?」と思うものが出てくるが、初年度に水野清香さんが提出した作品『家族喧嘩』を超える完成度の高いアナログ原稿はない、と振り返った。

 オンラインマガジン「マヴォ」は、そうしたなかなか知る機会のない作品をすくい上げるべく、08年に立ち上げたメディアだ。水野さんの『家族喧嘩』も、掲載時には少女マンガ調の女の子と大友克洋調の絵柄の混在したギャグということで、ネット上でたちまち話題となっていた(水野さんは現在、プロのイラストレーター・おうひと佐也可として活躍中)。

 そのほか「マヴォ」には現在、マンガとアニメーション300本が掲載されている。 最近では、『あたし、時計』『making your smile』『鳥の目』といった作品がサーバーが落ちるほどの人気となった。『making your smile』はイラストソフト「SAI」の画面キャプチャー、『鳥の目』はアニメーションも合わせて楽しむ形態と、紙媒体では再現しにくい作品であるのも特徴的だ。また、YouTube経由で「マヴォ」に掲載されているアニメーション『福来町、トンネル路地の男』『ニュ~東京音頭』を例に挙げ、表現としてマンガとアニメを同じ媒体で扱えるのがネット(オンラインマガジン)の利点だと述べた。

 なお、竹熊さんはアニメーションにも関心を持っており、05年から自身が審査委員長を務める吉祥寺アニメーション映画祭の開催や06年にヒットした『やわらか戦車』『秘密結社鷹の爪』の誕生につながったイベント「JAWACON 2005」公式ガイドブック「move on web.」にインタビューを掲載するといった活動などもある。

やっぱり編集者が必要? 竹熊健太郎が語る「オンラインマガジン『電脳マヴォ』の挑戦」のページです。おたぽるは、イベント情報・レポマンガ&ラノベの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!