やっぱり編集者が必要? 竹熊健太郎が語る「オンラインマガジン『電脳マヴォ』の挑戦」

1410_takekumavo1.jpg竹熊健太郎「オンラインマガジン『電脳マヴォ』の挑戦」の様子。

 9月6日から28日まで北九州市漫画ミュージアムにて初開催された北九州国際漫画フェスタでは、文化庁メディア芸術祭北九州特別企画『越境するマンガとメディア』内にて14日に吉浦康裕『サカサマのパテマ』トークと上映会、15日に原正人「グローバル化するMANGAとバンド・デシネ」、23日に竹熊健太郎「オンラインマガジン『電脳マヴォ』の挑戦」が実施された。

 今回は先に公開した14日、15日のレポートに続いて、23日の竹熊健太郎「オンラインマガジン『電脳マヴォ』(以下、マヴォ)の挑戦」をお届けしよう。

 話は編集家の竹熊健太郎さんによる、第17回文化庁メディア芸術祭(以下、メ芸)で新人賞を受賞したマンガ『夏休みの町』から始まった。もともと本作は、作者である町田洋さんのサイト「夜とコンクリート」に全て掲載されていたものだが、2013年より「マヴォ」での掲載、祥伝社による単行本化などを遂げた(現在、サイト上では一部掲載)。

 町田さんが『夏休みの町』を自身のサイトで描いていたのは2008年。しかし、イラスト投稿SNS「pixiv」などをやっていなかったため、『夏休みの町』はほとんど誰からも見られていない状態であったという。竹熊さんは13年に「マヴォ」のタレコミフォームから本作の存在を知り、なかなか凄いと思ったことから、同年に「マヴォ」で掲載。今回のメ芸での受賞の経緯については、メ芸から「マヴォ」に作品を応募するよう依頼があり、町田さんが自身で応募したそうだ(ちなみにメ芸では過去作品の応募も可能である。以前に応募歴がなければ、その年に商用化された作品だけでなく、同年にバージョンアップなど、リニューアルされた作品も対象)。

「未だに個人ページのみでの公開である場合、そうした作品を知る方法はタレコミしかない」と竹熊さん。知られざる才能が眠っていても、編集者や読者が掘り起こすにしろ作家自身が売り込むにしろ限界がある。pixivでも時流からズレていたりすればランキングの上位に入らず、優れた作品が埋もれてしまうこともある。ネットでの才能発掘の難しさを吐露する。

 一方、同じく登壇した『TEI OH-!』などの庄司二号さんは、pixiv経由で芳文社から声がかかったマンガ家だ。自身の作品がpixivの成人向けランキングの上位に来てから仕事の依頼が来るようになり、現在の仕事はイラストと電子書籍での成人向けマンガが半々だという。庄司さんの事例に対しても、竹熊さんは「ランキングからこぼれるほうに何か(素晴らしい作品・才能が)あるんじゃないかと思い、(探すのが)大変で自薦他薦で教えてもらう」と補足した。

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