“男性同士の恋愛”は理解できない!?  男性から見た“腐女子”そして“BL”に迫った「ダ・ヴィンチ」

 小説などを中心に、マンガも積極的に紹介している“本の雑誌”「ダ・ヴィンチ」(KADOKAWA)。10月6日に発売された11月号では、物事の謎や疑問などを独自に調査していくライター・北尾トロ氏の連載「走れ!トロイカ学習帳」で、『おっさんが歩く乙女ロード 腐女子 WHO?』と題し、“腐女子とは一体なんなのか”ということを、男性目線で追究。「ダ・ヴィンチ」では、以前からWEBサイト「ダ・ヴィンチNEWS」を含め“BL”というジャンルを取り上げていたが、果たして男性から見て“腐女子”はどのように映っているのだろうか?

 当初、自分たちが「BL的な見方をされている」ということについて、疑問を抱いていた連載チーム。そこでまずは、と腐女子の聖地である池袋・乙女ロードを訪れる。平日の昼にもかかわらず多くの女性客がいることに驚きつつも、その集客力に感心する一同。続いて、アニメイト池袋本店でBLマンガの棚を物色すると、数の多さや種類の多彩さに圧倒されていた。その様子を見た北尾氏は「BLの表紙はほぼ100%、若い男が書かれたイラストでキャラの見分けがつかない」と綴る。男性にとっては、作家による絵の違い、出版社や雑誌による作品の雰囲気の違いといったものは、パッと見で区別をつけるのは難しいのかもしれない。だが、売り場の熱気を目の当たりにし、BLジャンルの豊かさは実感できたようだった。

 続けて、BL専門コミック誌「on BLUE」(祥伝社)の編集部を突撃し、「腐女子とは何なのか」という素朴な疑問をぶつける連載チーム。女性編集のひとりは、“腐女子”という言葉は外から見た人が名づけたもので本人たちはあまり使わないと前置くと、“萌え=いかがわしさのあるトキメキ” と持論を展開する。彼女いわく、BLは「女子が萌えを求めて読むもの」で、“萌え”がわかっていない連載チームが腐女子を問うのは早いのだそうだ。こうした話を受けて、北尾氏はBLは「女による女のための男性同士のファンタジー」で、男性にとって「恋愛対象は男でありながら男性同士の恋愛話を読んでときめいたり、男の集まりを恋愛関係に見立てて楽しむ面白さが理解できない」としていた。

 確かに今回の特集を読むと、BLの萌えを男性が理解するのはなかなか難しいと思われるかもしれない。だが近年では“腐男子”という存在も登場。それに、今号の「ダ・ヴィンチ」は俳優・大泉洋が表紙を飾っているが、その手にはマンガ『昭和元禄落語心中』(講談社)が握られている。大泉が愛読しているという『昭和元禄落語心中』の作者は、BL作家として知られる雲田はるこ。当特集でも、雲田はるこを始め、『BUTTER!!!』(講談社)のヤマシタトモコ、『テンペスト』(講談社)の阿仁谷ユイジなど、一般誌に進出したBL出身のマンガ家が紹介されているように、彼女たちの作品は男女問わず多くの人に読まれているのが現状だ。

 一見、男性からは理解しがたく思われる、“腐女子”や“BL”といったジャンル。しかし、BL出身マンガ家の作品が広く読まれている現状を見ると、“腐”の道に進む男性が今後現れるかもしれない。

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