日本人はどう少女に萌えてきたのか? オリジナルアニメも芳しい『美少女の美術史』展

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 今年の7月12日から青森県立美術館で開催された『美少女の美術史』展が、9月20日からは静岡県立美術館で開催されている。続いて12月には島根県立石見美術館での開催が予定されており、おそらく東京に最接近するのはこのタイミングしかないということで、突貫取材を敢行してみた次第。今回の展示を企画した3つの美術館の学芸員によるユニット「トリメガ研究所」による開催初日のトークショーの内容も入れ込みつつ、紹介してゆこう。

 で、まずはこの『美少女の美術史』展、どんなテーマで構成されているかというと……まずはこれを読んでいただいた方が早いかも。

 現在、わが国では「美少女」をめぐるさまざまな現象が注目を集めています。
 それは漫画、アニメ、映画、文学、美術、商品広告など様々な分野に登場し、現代日本文化を象徴する存在の一つとさえなっています。
 そもそも少女という概念が一般に定着したのは、近代的な学校制度の整備や出版文化の発達を苗床に女学生文化が花開いた20世紀初頭のこととされています。
 しかしこれ以前にも少女にあたる若い女性はさまざまに表現されていました。
 本展覧会は、江戸の華ともいうべき浮世絵から、近代に隆盛を迎えた洋画や日本画の美人画、少女たちの心をとらえた叙情画、さらには漫画やアニメ、フィギュアといったキャラクター文化、そして現代社会における少女イメージを表したアート作品に至るまで、多くの少女のイメージを紹介します。
 本展は、さまざまなジャンルを横断した約110作家300点の作品で、私たち日本人が少女という存在に何を求めてきたのかを振り返る試みです。
静岡県立美術館 公式サイトより】

 また、姉妹媒体「サイゾーウーマン」に掲載された、当企画をまとめたキュレーター集団「トリメガ研究所」の工藤健志氏と少女マンガ研究家・和久井香菜子氏との対談もご参照あれ(参照)。

 浮世絵から初音ミクまで、様々な時代に様々な形で描かれてきた「少女」を、時代とメディア、ジャンルを超えて縦横無尽に駆け回る展示は、昨今の作品単位で語られがちな状況の中では新鮮。平成に入ってからの「萌え」文化はともかく、江戸の町娘の浮世絵から明治大正昭和といった近代に至るまでの「少女史」は時に進化し、時にリフレインされ緩やかに螺旋を描いているようにも見える。そんな時間と空間を超えて再び蘇るイメージや、文化史的な側面に影のように付きまとう「少女市場」の開拓など、見る側が経験してきた物によっても様々な姿を見せるだろう。

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ちなみに、ほかの太宰治は「青い文学」シリーズ。堺雅人はさすがに上手。

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