選定委員の“趣味”も感じる!? 海外を見据えた「SUGOI JAPAN」の投票が始まる

1410_sugoij.jpgSUGOI JAPAN公式HPより。

 読売新聞社が主催するポップカルチャー作品投票企画「SUGOI JAPAN」の投票受付が、今月1日より行われている。

「SUGOI JAPAN」とは、外務省、経済産業省、一般社団法人日本動画協会、コミック出版社の会が後援し、過去10年間に発表された作品の中から合計203作品(内訳はマンガ51、アニメ52、ラノベ50、エンタメ小説50)の投票を行い、「これを世界で大ヒットさせたい!」というものを選ぼうという企画だ。投票は年末まで行われ、2015年3月に結果が発表される予定だ。

 ノミネートにあたっては、各ジャンルとも一般や業界関係者から推薦された作品群をもとに、実行委員会と数名の選定委員が約50作品がノミネート作品に選ばれている。各ジャンルとも選定基準は公開されているが、簡単にまとめると「普遍性があって、海外で通用する作品か否か」ということだそうだ。

 とはいえ、「これが海外に通用するのか……?」と思う作品も。

 例えばマンガ部門では、『進撃の巨人』は海外でも通用するだろうと思う。けれども、食事を通じてゲイカップルの日常を描いた『きのう何食べた?』などは、一部の“先進的な”国では受容されそうだが、未だに同性愛差別が根深い国も多い。また、ブッダとイエスを主人公に据えたコメディ『聖☆おにいさん』もノミネートされているが、海外の人は本作を『サウスパーク』あたりのノリで面白がってくれるのだろうか? 宗教的に大丈夫なのか?

 つまり、このノミネート作品は“ちょっとわかっている”感じのマンガ読みが好むタイトルが多く見受けられるのだ。アニメ部門のノミネートが実際に売れている普遍的な作品が目立つだけに、マンガ部門については選定委員の“趣味”が入っているようにも感じられる。

 ともあれ、こうした企画を通じて、まだ見ぬ作品に出会える機会が増えるのは良いことだろう。200にものぼるノミネート作品、気になるものがあったら見てみるのも一興かもしれない。
(文/昼間たかし)

■「SUGOI JAPAN」
http://sugoi-japan.jp/

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