「深夜アニメ 闇夜の千本ノック」【2014年 秋】

鬱展開の販促アニメが帰ってきた!『selector spread WIXOSS』【第一話レビュー】

――食欲の秋! スポーツの秋! そしてアニメの秋!! 秋の夜長をさらになが~く熱くする新番組からお気に入りを見つけ出そう! 9~10月より放映開始された2014秋の深夜アニメの第一話をレビューして、オススメ作品をコンセルジュする連載「深夜アニメ 闇夜の千本ノック」! ※放送日などは全国ネット及びTOKYO MXに準拠します。

【10月3日(金)編】

■『selector spread WIXOSS 
1話「この開幕は無音」

1410_1r_wixoss.jpgselector spread WIXOSS公式サイトより。

 LRIG原作によるTCG(トレーディングカードゲーム)「WIXOSS」の世界観を基に、佐藤卓哉監督とJ.C.STAFFによりアニメ化。

 今年春の新番組として放映された『selector infected WIXOSS』の第2シーズンとなる本作。前作のサブタイトルがinfected=“感染させられた”だったのに対し、今回はspread=“蔓延させる・展開させる”とされているのが意味深です。

 アバンタイトルは前作第1話を思わせるルリグの戦闘イメージから開始。主人公・小湊るう子とセレクターバトルを通じて得た友人・植村一衣と、ルリグとなってカードに宿っている紅林遊月が、再び望まない戦いの渦に巻き込まれてゆく……という内容でした。

 一見脳天気キャラに見えながらも、実はセレクターバトルの残酷な真実に納得しそれでもなおバトルを続けるちよりが最初の挑戦者として再登場することで、セレクターとなった者はもはや戦いから逃れられないことを示すあたり、構成の妙を感じます。

 劇中で交わされる特殊な用語やセレクターバトルのシステムなど、前作の設定がすべて頭に入っている前提でストーリーが進むので、今シーズンから見始めた人は公式サイト等での予備知識が必要かも知れません。

 いずれにせよ、劇中に登場するTCG販促が前提の番組なのに「カードバトル大会で優勝しても敗北してもひどい目にあわされ人間ですらなくなってしまう」というネガティブな内容を堂々と掲げ、それをスポンサーも視聴者も支持している特異なスタンスの本作。前作で消えてしまったタマは復活できるのか? 「カード内のルリグにされてしまった女の子をすべて助け出す」という、るう子の願いは叶えられるのか? そして「WIXOSS」を作り上げた者の正体と目的はなんなのか? 投げかけられた謎にどのような答えがもたらされるのか、楽しみに視聴してみたいと思います。

 そういえば本作は前シリーズ冒頭から冬、今シリーズもいまだ冬でおっきな棒(謎の高層ビル)も建設中です。画面全体を覆う曇天の冬の陰鬱なイメージもそのまま引き継がれていますが、すべての事件が解決した時にようやく暖かな春が訪れる……そんなエンディングなのかもしれません。

【こんな作品のファンにもオススメ】
フューチャーカード バディファイト』『ファンタジスタドール

(文/出口ナオト)

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