姫乃たまの耳の痛い話 第13回

「私、下着はNGです!」細分化されるアイドルたちの露出のボーダーラインとは?

2014.10.06

――地下アイドルの“深海”で隙間産業を営む姫乃たまが、ちょっと“耳の痛〜い”業界事情をレポートします。

なりませんよ、私。

 ネット番組の運営をしている面識のない人が、ある飲み会で「姫乃たまに、下着でうちの番組に出演してくれってメール出したら断られた。あの子、下着でグラビアとかやってるくせにおかしくない?」と話していたと聞いて、げんなり、しょんぼりしています。

 あ、姫乃たまとは私のことです。こんにちは。何かと「宣伝に役立てて頂ければ幸いです」の一言で、ノーギャラで済まされそうになる売れない地下アイドル5年生です。この世で一番怖い言葉は「パブなんで」です。

 ちなみに、ネット番組の運営の方へ、メールに署名がなかったからお名前わかりませんが、この場を借りてどうして出演しなかったか説明しますと、番組の内容も、拘束時間も、私の立ち位置も、ギャラも記載されていなかったから……ではなくて、そもそも下着はNGなんです。

 では、この運営の人が飲み会で嘘をついていたか、というとそうではなくて、現に私は下着の写真集を出しています。出しまくっています。そのため、この運営の方が「おかしくない?」と言ったのは、おかしくないのです。

 グラビアや着エロ、はたまた知名度の向上を願ってグラビア活動をしている地下アイドルも、みんな同じようにセクシーな格好をしているように見えますが、それぞれに“細かい決まり”があります。

 たとえばグラビアなら、「女の子に触ってはいけない」といった事務所が決めている基本的なことから、女の子によって、「ローアングルで撮影してはいけない」「水着はいいけど下着はダメ」など、さまざまです。「じゃあ下着みたいな水着ならいいのか?」など、現場はいつもせめぎ合っています。

 着エロになると、衣装もシチュエーションも幅が広がる分、もっと細かいです。「乳首は透けてもいいけどTバックはダメ」とか、「スカートをめくるのはダメだけど、脱いだパンツを足に引っ掛けて見せるのはいい」とか、女の子と相談したうえで事務所が方針を決定します。

 基本的に共通しているのは、そのアイドルさんが今一番売りたいDVDや、話題になりそうな映画などが、最も過激な露出になっているかどうかです。

 私も自主制作している写真集が最も露出度が高いので、恐らくその画像をネット上で見て運営の方が連絡してきたのだと思います。

 ちなみに私のレギュレーションは……なんだろう。着エロ風に言うと、乳首、股間、Tバック、擬似セックス(揺れながらあえぐ)、濡れスケNGという感じでしょうか……。基本的には撮影から編集まで全て自分で責任をとれなさそうな媒体では、最大限に露出はできません。だからオファーのメールを出すときは、署名くらいしてくださいって話です。よろしくお願いします。

●姫乃たま
1993年2月12日、下北沢生まれ。日本の地下アイドル。2009年より都内でライブをする傍ら、ライターとしても活動を開始。イベントの主催や、司会、モデルとしも活躍している。全曲ボーカルをつとめたFriendlySpoon「フレスプのファーストアルバム」絶賛発売中。

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