ついに戦隊モノにもイクメンの波が！　ヒヨコとかつらと誕生日（平松愛理風）な『トッキュウジャー』第30駅

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　最後にパティシエの先生から問いかけられた“ケーキで味より大切なことってなーんだ”という質問の答えはわからなかったけど、とりあえずケーキが完成したので大喜びのカグラさんは烈車に戻ろうとしました。ところがそこに現れたウィッグシャドーの攻撃で、ケーキはグッチャグチャに。怒りに燃えたカグラは、駆けつけたライトたちと共にウィッグシャドーに戦いを挑みます。

「こっちは育児に忙しい。とっとと終わらせる」

　ここに至って、明の中ではシャドー怪人退治とヒヨコの育児の優先順位が完全に逆転。イクメンを通り越して、ただの親バカっていうか、バカ親っていうか。しかし激しく動くと可愛いヒヨコの命が危ない！　すっかりイクメンと化したライトたちは、思うように攻撃ができません。そこで未婚子どもなし働く女代表としてカグラは「私は強い、私は強い……サイキョーガール！」と、自分を奮起させて孤軍奮闘しますが、権威主義である男性社会を象徴したウィッグシャドーの攻撃、ウィッグゲッターにがんじがらめになり自由を失ってしまいます……こうやって風刺っぽいことに絡めると『トッキュウジャー』も社会派ドラマっぽくなるから不思議ですが、面倒くさいので、いつもの感じに戻します。

　唯一自由に動けたカグラも、ウィッグシャドーの攻撃を受けて絶体絶命、となったその時！　なんと、ライトたちの頭の上にいたヒヨコがニワトリに!!　急成長したニワトリたちは、ヒッチコックの『鳥』よろしくウィッグシャドーに襲いかかり、蹴倒すとどこかへ旅立っていってしまいました。名前までつけて可愛がっていたトカッチと明は、巣立っていく彼らを名残惜しそうに見送っていますが、怒りに燃えるカグラは、ライトからハイパーレッシャーを奪い、ハイパートッキュウ5号に変身。しかし偶々近くに居合わせたミオと鎧が連結して変身してしまいます。

「何、その格好、カッコ悪い～」

　あざ笑うウィッグシャドーにカグラは一喝。

「大切なのは見ためじゃない、大切なのは気持ちだよ！」

　そう、パテシィエさんが言いたかったのも、大切な人にその気持ちを込めて作ることが一番大事ということ。だからカグラは大切な人を守るために戦う、と宣言するのでした。うう、ええ話や……しかし、逆にいえば変身する側からしても、やっぱりあの連結ハイパーレッシャーは格好悪いと大々的に表明しているような気もしますが、それはそれ。乙女の怒りを爆発させたカグラとミオの連結攻撃で、ウィッグシャドーを撃破。巨大化したウィッグシャドーも、超超トッキュウダイオーで瞬殺と、やっぱり女はおっかねぇな強さで、戦いは終了。

　無事行なわれたサプライズパーティの最中には、先ほど巣立ったはずのニワトリも烈車と併走して祝福してくれました。そして車掌さん（演：関根勤）とワゴンさん（CV：堀江由衣）のスペシャルプレゼントは特製のローストチキン!!　……飼育した豚を食べさせる“命の授業”ばりにハードコアな展開に、食欲の権化のライトも「俺もさすがにムリ……」なのでした。金髪かつらにひよこさんと、シュールなコメディ回と思わせておいて、実はイクメンに働く女性問題、食育などNHKも真っ青な、いろいろ考えさせられる第30駅でした。まあそんな小難しい話は、ED前のケーキを食べさせあうミオとカグラの可愛いさに、すべて持っていかれた気もしますが。

　さて烈車戦隊トッキュウジャー。勝利のイマジネーション！　出発進行!!　次の停車駅は、レインボーライン最大の駅“ハイパーレッシャターミナル”。メンテナンスのため訪れたこの駅で車掌さんが、レインボー総裁から告げられた驚愕の真実とは？ さらにレインボーラインを一挙に壊滅すべくシャドーライン幹部連中と皇帝、さらにはシュバルツ将軍まで乗り込んできて大乱戦の「第31駅　ハイパーレッシャターミナル」です。なんかもう幼児誌関係ではバレてるみたいですが、レインボー総裁のあっと驚くその外見が気になる方もそうでない方も人も、乗り遅れのないよう、ご注意ください!!

　EDの列車紹介はJR貨物「DE10形」、京浜急行電鉄「600形 ブルースカイトレイン」。JR九州「キハ40系　“指宿のたまて箱”」でした。
（文／雑賀洋平）

 
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