ローカライズがキモ!? インドネシアでポルノ扱いされた『クレヨンしんちゃん』から見える問題

1409_rcti.jpgインドネシアのテレビ局「RCTI」の『CRAYON SHINCHAN』ページより。

 インドネシアのテレビ番組を監督する政府の放送委員会が、同国で放送されている日本製アニメ『クレヨンしんちゃん』を「ポルノ」だとし、放送時間の変更などを求めた事件が注目を集めている。

 この問題を報じた朝日新聞によれば、インドネシアのテレビ番組を監督する政府の放送委員会は「しんちゃんはおしりを丸出しにしたり、他人のデートをのぞき見したりする。胸の谷間を強調したセクシーな服を着た女性も登場する。大人向けで、ポルノ同様だ」と取材にこたえているとのこと。一部の描写の削除や放送時間の深夜帯への変更が求められているが、放送するテレビ局・RCTI(Rajawali Citra Televisi Indonesia)は「どこが問題なのか」と変更の意志がないとされる。

 RCTIは『クレヨンしんちゃん』に限らず、多くの日本製アニメを放送。今月には、バンダイと協業し『アイカツ!』のメディアミックスを進めている。また、昨年には石森プロ原案のオリジナル特撮番組『サトリア・ガルーダ・ビマ・X』を放映したことでも注目を集めた。

 このようにすでに多くのマンガ・アニメファンを抱えるインドネシアは有望な市場となっているが、今回の騒動は現地の道徳観との間にまだ溝があることを示した事件といえるだろう。

 ある国ではごく当たり前のことが別の国で非常識と捉えられるのは、マンガ・アニメに限った話ではない。日本国内で放送されているものをそのまま放送する以上、こうした問題は今後も絶え間なく発生するであろう問題だ。そうした問題を解決する方法の一つが、その国の実情に併せて作品を新たに制作し直すという方法だ。

 この代表例としてあげられるが、『巨人の星』を原案としてインドで放送された『スーラジ ザ・ライジングスター』だ。とはいえ、すべての作品を国ごとにリメイクするというのは非現実的。やはりじっくりと時間をかけて「日本のマンガ・アニメはこういうものなのです」と定着させていくしかないだろう。

 それにしても、政府から批判されても意に介さないRCTIには驚きだ。
(文/昼間たかし)

ドラゴン桜(1) (モーニング KC)

ドラゴン桜(1) (モーニング KC)

「東大」を目指すマンガである本作も、現地風にリメークされているとか。

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