「ロッチ事件」の真相に、『ガンダム』との意外なつながりまで!「コスモス・ネヴァー・ダイ 1977-2014」レポート

■ロッチはコスモスだけじゃなかった……! 衝撃の真実に会場は驚愕

 イベントは後半戦に突入。ここからは今もコスモスの自販機に玩具を詰めてまわっているという奈良氏と、ケチャップアーツ氏が登場。コスモスマーク入りの社員用ネクタイなどの、超プレミアアイテムが紹介された後、話題はいつしか「ロッチ事件」の顛末へと展開していく。

「ロッチ事件」とは、80年代半ばよりお菓子メーカー・ロッテが発売した「ビックリマンシール」の偽物をコスモスが販売し、それが摘発されるという事件のことだ。偽物シールは、裏面に記される「ロッテ」マークが「ロッチ」と改ざんされていたことが、この事件名の由来だ。

1409_kosmos5.jpgこちらは「ビックリシール」である。

 この事件は当時の新聞でも大きく取り上げられ、数千万円の罰金と数名の逮捕者を出したことから、今でも記憶に残っている人は多いだろう。しかし、もともとビックリマンシールの偽物を作っていたのは別の業者で、当時ほかにも偽ビックリマンシールを作っていた企業が複数存在。コスモスはその一社に過ぎなかったが、たまたま警察にマークされスケープゴートになったというのが、今回の書籍に書かれていた内容だ。

 その顛末を、改めて当時の思い出とともに語る奈良氏。その口から語られる、あまりにも生々しい現場のエピソードに、観客もじっと耳を傾けるばかりだ。これぞ80年代ホビーのアンダーグラウンド。こういう機会がなければ、決して表に出てくることはない日本の玩具史のもう一つの顔である。

 イベント終盤、貝山氏より「書籍に掲載されている何倍もの写真を撮っています。集大成となる第3弾を出したい」という続巻への意欲に満ちたコメントが発せられ、会場は大いに盛り上がった。いまだその全貌が明らかとなっていないコスモス。同社の歴史とその実態を知ることは、華やかなオリジナルコンテンツを世に放ってきた大手玩具メーカーを追いかけるだけでは知ることのできない、いまだ日本が清濁あわせ持っていた80年代のホビーシーンの実態を知ることなのかもしれない。

 オリジナルとは何なのか、コンテンツを生み出すとはどういうことなのか。その答えのヒントがコスモスには潜んでいるのかもしれない。潜んでいないかもしれないけど。期待しすぎるとたいてい肩透かしを食らう。それがコスモスなのだから。
(取材・文/有田俊[シティ・コネクション])

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