フェス「きたまえ↑」の盛況に、アニメ『天体のメソッド』が放送間近…熱量を増す北海道エンタメ事情

2014.09.16

 今年は『フランチェスカ』『思い出のマーニー』『ジョバンニの島』があるなど、先にも北海道をモチーフおよび舞台としたテレビシリーズや長編映画のアニメ作品を取り上げた(参照)。そして、この10月からは洞爺湖を舞台のモデルとしたテレビアニメ『天体のメソッド』が始まる予定であり、何かと北海道の話題が続いている。

『天体のメソッド』は、6月に開催されたTOYAKO・マンガアニメフェスタ2014で制作発表が行われた作品である。本作の製作委員会名が「霧弥湖町観光協会」となっているように、同フェスタの開催地・虻田郡洞爺湖町が意識されている(“霧”で有名な川上郡弟子屈町の摩周湖も連想できる)。

 また、道内ではアニメ関連のイベントが絶えない。連休となった9月13日から15日には、札幌芸術の森にて「きたまえ↑札幌☆マンガ・アニメフェスティバル」2014(以下、「きたまえ↑」)が開催されていた。アニソン野外ライブをメインとする「きたまえ↑」は、2012年のプレイベントを経て、昨年第1回が開催された新進のイベントだ。今年も札幌市出身の藍井エイルなど、新人から大御所まで総勢16組のアーティストが出演したほか、10月放送開始のアニメ『Fate/stay night』オープニングテーマ「ideal white」でデビューする洞爺湖町出身のシンガー・綾野ましろが、15日のオープニングアクトを務めていた。

 ほかにも、札幌市街で観覧車がランドマークとなっている商業施設「ノルベサ」では、10月に初音ミクで知られるクリプトン・フューチャー・メディアが同社初の直営カフェ「MIRAI.ST cafe」をオープンする予定である。「ノルベサ」のテナントにはまんだらけやトレーディングカードショップ「MINT」なども入居している。札幌市ではアニメイト、らしんばん、メロンブックスなどがある丸大ビルが知られているだけに、今後も北海道のショップ動向を注視しておきたい。

 そのほか、10月に行われるイベントとしては、10月1日から13日までの文化庁メディア芸術祭十勝帯広展「メディア芸術の林間学校」、8日から13日までの第9回札幌国際短編映画祭、31日から11月3日までの新千歳空港国際アニメーション映画祭2014などがある(まず北海道での映画祭として名前が挙がるのは、例年2月に開催しているゆうばり国際ファンタスティック映画祭だろう。06年の夕張市の財政破綻による一時休止を乗り越えて開催を続けている)。

 新千歳空港国際アニメーション映画祭2014は、今年が初開催。その名の通り空港で開催される映画祭で、新千歳空港はじゃがポックルシアターやアニメイトなどの関連施設も揃っており、地の利が特徴だ。コンペティションの国際審査委員に、オタワ国際アニメーションフェスティバルのディレクターを招くなど本格的で、“アニメーション”作品がノミネートされている(一方、第9回札幌国際短編映画祭のコンペには、『陽なたのアオシグレ』や『寫眞館』がノミネートされるなど、若干“アニメ”も見受けられる)。コンペ以外にも、『AKIRA』の爆音上映や『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ』3作品のオールナイト上映といった、“アニメ”上映も見られる新千歳空港国際アニメーション映画祭。珍しい空港での映画祭だけに、今後どうなるのかも気になるに違いない。
(文/真狩祐志)

■天体のメソッド
http://sora-no-method.jp/
■きたまえ↑
http://kitamae.com/
■MIRAI.ST cafe
http://miraist.com/
■新千歳空港国際アニメーション映画祭
http://airport-anifes.jp/

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