恵比寿ガーデンシネマが復活! 京都と広島では新たに国際映画祭が誕生…シアター事情

 1994年よりミニシアターとして運営されてきた恵比寿ガーデンシネマが惜しまれつつ閉館したのは2011年のことだった。それから3年、9月3日にYEBISU GARDEN CINEMAとして15年春に復活することが発表された。しかも今回は、ユナイテッド・シネマとの共同運営であるという。8月31日に新橋文化・ロマン劇場が閉館しているだけに嬉しいニュースとなった。上映作品はミニシアター時代と同じく、主にアメリカなどのインディペンデント映画になるが、ライブビューイング会場としての活用も挙げられている。

 これまでもミニシアターや地方の映画館の動向について触れてきているが、最近でも8月31日に広島県福山市のシネフク大黒座、9月1日に岐阜県高山市の高山旭座と、老舗の映画館が閉館している。前者のシネフク大黒座は、所有してきたフューレックが福山駅前シネマモードや福山エーガル8シネマズを運営しているものの、後者の高山旭座は、地域唯一の映画館が消滅するとあって深刻だ。デジタル化の波に飲まれ、やっとの思いで上映機材を刷新しても、根本の来客数の低下で採算が合わなければ閉館を余儀なくされる。今後は映画館に行くとなると、近場でも選択肢は岐阜市か隣県の富山市などになるようだ。

 一方、先日も触れていた日本最南端の映画館こと沖縄県のシネマパニック宮古島では、昨年末よりデジタル上映環境の導入で募っていたカンパに、およそ400万円が集まっていた。そうした中、よしもとクリエイティブ・エージェンシーが支援を発表、よしもと南の島パニパニシネマとして8月8日より再スタートを切った。差し当たって10年間は営業が保証されるという。吉本興業のグループが支援を申し出たことに関して驚いた人もいるかもしれない。とはいえ同社の別グループ(よしもとラフ&ピース)が、09年より沖縄国際映画祭の運営を担当していると聞けば納得するだろう。

 今年はさらに、10月16日から4日間、京都市で京都国際映画祭が初開催になる。運営はきょうのよしもと。もちろん吉本興業のグループである。日本映画の発祥地にして、映画の都として知られてきた京都では、京都映画祭を隔年開催していた。今回の京都国際映画祭は、その京都映画祭を一新するかたちになる。近年は京都ヒストリカ国際映画祭が新たに誕生していただけに、早くも再編することになる。

 また広島市でも、11月14日から3日間、広島国際映画祭が初開催になる。こちらは吉本興業とは関係なく、ダマー映画祭 in ヒロシマとして開催していたものを名称変更した。広島では、広島国際アニメーションフェスティバルが隔年で開催されているだけに、実写をメインとした同映画祭の本腰が入ったように見える。

 広島市内は映画館が多いだけに、その移り変わりも激しい。04年にオープンしたTOHOシネマズ緑井や広島バルト11(安芸郡府中町)といった郊外のシネコンと入れ替わるように、中心部では09年に広島東映・ルーブルと広島スカラ座、11年に広島宝塚、13年にシネツイン新天地が閉館した。今年は7月7日に横川シネマ、8月31日にサロンシネマに動きがあった。前者は9月30日にリニューアル、後者は9月20日に広島東映・ルーブル跡地への移転によるものだ。

 そして尾道市では先の福山市も会場に、11年よりお蔵出し映画祭を開始している。興行を視野に制作していたものの、未公開となった作品を募集する映画祭になっている。グランプリ作品は東京でも公開されることになるが、未公開作品を一挙に見られる機会としては、興味深い試みと言えるだろう。
(文/真狩祐志)

■恵比寿ガーデンプレイス
http://gardenplace.jp/
■京都国際映画祭
http://kiff.kyoto.jp/
■広島国際映画祭
http://www.hiff.jp/
■お蔵出し映画祭
http://www.okuradashi.com/

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