急展開での完結に関係者もビックリ! マンガボックス『初恋心中』……ホントにこれで最終回?

1408_hatukoi.jpg初恋心中第2巻(講談社)

 昨年12月のリリース開始以来、すでに200万ダウンロードを突破し、“新たなマンガの読み方”として台風の目になっている配信アプリ「マンガボックス」。

 8月24日、創刊以来連載されていた須崎洋輔氏の『初恋心中』が最終回を迎え、注目を集めている。

 この作品は、「生きたい理由」が見つからない高校生・水川シンジが、自殺しようと昇ったビルの屋上で、孝行の教師・八重樫京子と出会い始まる物語。一年間楽しいことをして、来年のクリスマスに一緒に死のうと誓った二人は、家も学校もすべて投げ捨てて旅立つのである。

 微妙に少女っぽさを残した「年上」の「女教師」と逃避行という、それだけで萌え死ぬような設定。物語では、京子が自殺を志すなにがしかの原因になった男が登場したり、ようやく結ばれた後に京子が姿を消し、最初に出会った屋上で再会するといった流れで、いったいこの先はどうなるのかと期待されていた作品であった。

 ところが、24日に配信された第38話では事前になんの告知もなく最終回を迎えたのである。一応はハッピーエンドなのだが、多くの伏線は残されたまま。読者の間からは「これで終わり?」「終わり方が意味不明」「ラストがよくわからん」「結局先生ってなんで死にたかったの」とさまざまな声が……。

 もしかして、これは雑誌連載では定番の打ち切り? とはいえ、ページ数の限られた紙媒体に対して、ページ数が半ば無限大のネット配信で打ち切りにする必然性があるのだろうか。

 さっそくマンガボックスの関係者を直撃してみたところ、次のような回答が。

「この作品は少年マガジン編集部が担当しているので、公式なコメントはちょっと……」

 実のところ、マンガボックス側でも「急展開(な完結)だったなあ」と驚いているらしい。

 ここからは、筆者の想像だが、読者からも指摘されているように、この作品では連載途中からの絵柄の変化があった。やはり、作者自身が、これ以上継続するのは困難だったのではないかとも伺える。少々、消化不良な終了は残念だが、こんな形でも完結が話題になるのは作品力があった証拠。須崎氏の次回作にも期待したいものだ。しかし、今回の件で気づいたけれど「今日は、どれそれの作品の配信開始日だ」と、心待ちにしている読者は相当数いる様子である。マンガボックスは無料配信のため、単行本化の際の売り上げが事業のキモのひとつ。今後も、単行本で読み返したい作品が出てくることを期待している。
(取材・文/昼間 たかし)

初恋心中(1) (講談社コミックス)

初恋心中(1) (講談社コミックス)

1巻も合わせてどうぞ。終わり方は保証しませんが…

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