「スッキリした」「心もとない」キーパーソンの動向に悲喜こもごも!? 淡々と最終回が近づく『M3~ソノ黒キ鋼~』

――毎日、何本ものアニメが目まぐるしく放送されている現代日本。これだけ放送本数が多いと、見るのだって一苦労……。そんな悩める現代オタクのため、「おたぽる」がオリジナル作品を中心にテレビアニメ・レビュー! これさえ読めば、気になるあのアニメのあらすじから評判までがまるわかり!!※本文中には“ネタバレ”が含まれていますので、ご注意ください。

■『M3~ソノ黒キ鋼~
第19話「黒キ入日」

1408_m3_19.jpgM3~ソノ黒キ鋼~公式サイトより。

【今週の極私的見どころ!】
「マッドサイエンティストメガネブVS.触手の誰得回」とネットで呟かれた第19話は、まさに夏入(CV:飛田展男)一色の回でした。個人的に面白かったのは、マヴェス・プロトタイプに搭乗して暴れ回る夏入の図。「イヤッハァァァァーー!!」などと言いながら踊るようにマヴェスを操縦する姿はとてもインドア派に見えません(笑)。夏入なりに真木ミナシ(CV:柿原徹也)の姉・真木ミメイ(CV:佐藤利奈)を愛していた様子には、「夏入の所業に同情の余地なし」と思っていた心が少し揺らぎました。

 ところで先日、プレイステーションVita用ソフト『M3~ソノ黒キ鋼~///MISSION MEMENTO MORI』が2014年11月20日に発売されることが告知されました。同作は、プレイヤーが章ごとにガルグイユメンバー8人の中から好きなキャラを選択し、思考の同調をさせながらエンディングをめざしていくゲームのようです。謳い文句の中に「思考の同調とプレイヤーの決断が物語に新たな可能性を与える」とありましたが、つまりマルチエンディングということでしょうか? 狂気にまみれた伊削ヘイト(CV:村瀬歩)視点や、本編ではあまり描写されなかった霞ライカ(CV:矢作紗友里)&波戸イワト(CV:前野智昭)の視点で物語を動かせるのは面白そうですね。

 ただ、告知からしばらくネットの反応を観察していた筆者の所感では、『M3』がゲーム化することを知らない、もしくは『M3』のゲーム化に興味がないユーザーが多いように見受けられました。バンダイナムコゲームスからロボットゲームが発売されるといえばネームバリューは申し分ない気がしますが、まず世間的に『M3』はロボットアニメの枠にさえ入っていない印象も。アニメ最終話をどのように締めくくるか、それがゲームの話題性にも繋がっていきそうです。

【今週のおすすめ度】
★★★★☆
(前回のあらすじはこちら

 読島の怨念がイマシメとなって夏入を襲うシーンから始まった第19話。マヴェスを持たない鷺沼アカシ(CV:松岡禎丞)たちは、自分たちに攻撃しようとした夏入を置いて撤退行動に移ります。しかし、乗ってきた輸送機は屍鋼に飲み込まれ使い物にならなくなっていました。一方、巨大なイマシメと対峙していた夏入はマヴェス・プロトタイプに乗って応戦。この戦闘シーンの中で印象的だったのは、戦闘中マヴェスの頭脳であるミメイに語りかけ続ける夏入のセリフ! 「お前たちを倒して、ミメイに褒めてもらう」と子どものように言い続ける夏入はなんて痛々しいのでしょう……。

 なかなか迫力のある夏入の戦闘シーンに対し、ネットでは「今までで一番ロボットアニメっぽい戦闘シーンが描かれているのに、搭乗者がまさかのメガネブww」「さすが夏入。頭脳だけじゃない天才!!」と賞賛の嵐。最初はただの狂った研究者に過ぎなかった夏入が、なくてはならない人になったのは声優・飛田さんの絶妙な演技のおかげでしょう! 今回は『M3』の核心を突いたシリアスなストーリーだったと思いますが、筆者は笑いが止まりませんでした。

 一度はイマシメを追い詰めるも、徐々に旗色が悪くなっていく夏入。最終手段に出ようと思った矢先、自分の体が屍鋼化していることに気づきます。死の恐怖で発狂でもする――かと思ったら、自分の体でさえ研究対象として分析していく彼は本物のマッドサイエンティストですね! 変態もここまでくればあっぱれです。しかし屍鋼化によって体の感覚が失われていくに従って、一番幸せだった頃のミメイとの記憶が思い起こされていきます。夏入が首から下げている鍵は、どうやら「夏入が自分の未来を拓いてくれる鍵」だと言ってミメイが持っていた鍵だったようです。

 想い出に浸っていた夏入ですが、異変に気づいた時には時すでに遅し。マヴェス・プロトタイプはいつの間にか無明領域に飲み込まれ、夏入は島の怨念と化したイマシメに殺されてしまいます。まさかの夏入死亡展開に、視聴者の多くは「夏入、年貢の納め時」「ようやく断罪の時。スッキリした!」と歓喜。その一方で「キーパーソンがいなくなって先が読めない」「マヴェスの管理、カサネさんだけでは心もとない」とこの先のストーリーに不安の声が上がりました。そろそろ最終話が近づいてきたというのに、淡々とした雰囲気が抜けない『M3』。視聴者の反応も淡々としていて、アニメ人気があるのかないのかはっきりしません。次回こそ大きな展開を見せて、ネットを沸かせてほしいところです。

 ともあれ夏入が死んだことを知ったアカシたちは、夏入の乗ってきたクルーザーでなんとか読島から脱出。イクスの行った過去に嫌悪しつつも、イクスにいるからこそできることをやっていこうと改めて心を一つにします。ミメイの本当の目的が「すべての人の思考が繋がることだ」と理解したミナシがやけに静かなのか気になりますが、無明領域に飲み込まれていく読島を眺める目に何かしらの決意が浮かんだ気がしました。もしかしてラスボスは躯とツグミ(CV:小岩井ことり)ではなく、ミナシになる可能性も?
(文/牧野絵美)

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