ドワンゴ会長が宮崎駿や鈴木敏夫に気に入られる理由は? 宮崎吾朗が下した川上量生評

2014.08.22

テレビ東京のワールドビジネスサテライト公式HPより。

 8月21日放送の『ワールドビジネスサテライト』(テレビ東京)に、総会員数4124万人、有料会員229万人を誇る「ニコニコ動画」を運営するドワンゴの会長・川上量生氏が出演。「ニコニコ動画」人気のワケなどを語り、注目を集めていた。

 川上氏はKADOKAWAの角川歴彦会長の寵愛を受ける人物として知られており、角川会長のラブコールを受ける形で、今年10月よりドワンゴとKADOKAWAが経営統合し、「KADOKAWA・ドワンゴ」が設立されることとなったのは記憶に新しいだろう。

 番組では、そんな川上氏の“もう1つの顔”もフィーチャー。“もう1つの顔”とは、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーの下での「プロデューサー見習い」だ。番組でジブリに弟子入りした理由を問われると、「衝動的です。逃げたかったんです、現実から」と軽口を叩く川上氏。しかし、ジブリ制作部門の解体が発表された直後には「ドワンゴがジブリを買収」というニュースも流れるほど(後に川上氏が否定)、そのつながりは昵懇なものとなっている。

 そして、川上氏がアニメ『山賊の娘ローニャ』の打ち合わせに毎週出席している風景も紹介された。『山賊の娘ローニャ』は、宮崎駿氏の長男であるアニメ監督・宮崎吾朗氏が、スタジオジブリを出て制作している新作テレビアニメ。今年の10月よりNHK BSプレミアムにて、放送予定となっている。本作の「制作、著作」はNHKとドワンゴで、制作協力にはスタジオジブリの名も並ぶ。こうしたつながりからか、宮崎吾郎氏が川上氏の人物評を聞かれ、「(川上氏は)人のために働く人。損とか得でものを言わない。思ったことしか言わないので宮崎駿や鈴木敏夫にいい人と思われている」と答えていた。

 その後、スタジオトークでは、川上氏のトークテーマをニコニコ動画でアンケート。「カドカワとの統合」か「ジブリとの連携」の二択だったが、結果は「カドカワとの統合」が60%以上の票で選ばれていた。川上氏は、KADOKAWA・ドワンゴのビジョンについて「いや、無いですね。KADOKAWAとドワンゴが何をするかって、みんな疑問に思ってるじゃないですか。みんな疑問に思ってるというのは、やっぱり何をするんだろうっていうのが分からないんだと思うんですね。僕だって分からないんですよ」と返答。続いて、分からないからこそ面白いものが作れる、とコメントしていた。

 さらに「来年1年間は、KADOKAWA・ドワンゴが一緒になる必要なかったじゃん、というようなことをやると思います。(1年間は)別々なことしか出来ない。だって今から一緒にやったって、来年は無理ですよ。再来年ですよね」と、具体的なことには言及しないながらも、統合後の展望を語っていた。

 角川会長や鈴木プロデューサーといった重鎮から寵愛を受ける川上量生氏。コンテンツ業界の巨人たるKADOKAWAと統合するドワンゴの勢いはとどまるところを知らない。ジブリとの蜜月も深めているだけに、今後も川上氏の動向から目が離せなそうだ。

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