アニメ業界人が語る、ひそひそ秘話 【第2回】

小遣い稼ぎからリベンジ目的まで――アニメ業界の“素材流出・転売”の実態とは?

■流出、漏洩に対する「責任の取らせ方」

 素材を流出させたことが判明したら、ペナルティがあるのか気になった人もいるでしょう。流出犯がスタッフなど関係者だった場合、アニメ業界として統一した「責任の取らせ方」は、実は存在しません。

 社員であれば各社の規定に基づいた懲戒処分が行えるでしょうが、フリーのスタッフから流出した場合は(あまりに被害が大きく民事・刑事事件にならないかぎり)出入り禁止にして以後の仕事を振らないといった対処しかないでしょう。ただし噂の広がるスピードが半端ではない業界なので、食い扶持を大きく失う結果にはなります。

 産廃業者に紛れ込んだ不届き者や窃盗犯など外部犯の場合は、当然ながら法的対処に訴えることができます。「放映前の作品の素材」「個人情報」「契約関係などの重要機密」が漏れた際の損害の大きさは計り知れません。法に則って処罰を受けることになります。

【まとめ】
 アニメの現場から設定やコンテが流れることは以前から散見されましたが、近年は個人間でひっそり売買されるだけではなく、ネットオークションで大々的に取引されるようになり、「アニメの素材は小遣い稼ぎになるらしい」と巷間に知らせることになってしまいました。

 現場レベルでの予防策は講じられているものの、素材流出をすべて防ぎきるには至っておらず、今のところ「できるだけ注意する」以上の対策がないのが実情。いつか“いたちごっこ”のような流出問題に頭を抱えなくなるような日が来ることを望むばかりです。

■安康頂一
 仮名。都内某アニメスタジオに制作進行として勤務、現場の辛酸をベロベロ舐め尽くしたのち、同業別職種に転じる。現在はギョーカイの深海底でひっそりとコンテンツの明かりをともすその日暮らしのチョウチンアンコウ。

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