なぜ声優であることを明かしたのか? みみめめMIMI・ユカがファンの質問に徹底回答!!【インタビュー】

2014.08.13

 今年6月にファーストライブを敢行、そして本日8月13日には記念すべき1stアルバム『迷宮センチメンタル』を発売した新世代視聴覚ユニットが、みみめめMIMIだ。シンガーソングライターのユカとイラストレーター・ちゃもーいの2人組ユニットとして活動を続けてきた“みみめめMIMI”は、先のライブにて、ユカが新人声優のタカオユキと同一人物であることを公表し、ファンを驚かせた。今回、声優として、アーティストとして活動する彼女に対し、「おたぽる」ではファンの方から彼女への質問を募集(参照)し、インタビューにてその質問をぶつけてきました! 改めてファンと向き合った彼女が語る心中とは――?

(写真/後藤秀二)

――今回のインタビューでは、当サイト上でファンの方から募集した質問をユカさんにぶつけていければと思っておりますので、よろしくお願いします。

みみめめMIMI・ユカ(以下、ユカ) お願いします!

新世代視聴覚ユニット・みみめめMIMI

――まず前提として、6月にライブにてユカさんが声優・タカオユキさんと同一人物であることを発表されました。これを受けて、ベリ○○ミチルさん、pepelonteanoさんといった方々からの質問として、「声優とアーティストとの両立を決意した決め手はなんですか?」といったものがありました。なぜ、声優とアーティスト、2足のわらじで始められたのですか?

ユカ 私は音楽を中学生の頃からずっと作っていて、オーディションを受けたりしてプロを目指していました。なので、正直に言うと自分が声優になれるとは思っていませんでした。アニメはずっと好きで憧れはあったんですけど、自分がなろうと思ったことはなかったですね。そんな中、デビュー前に声優のお話をいただき、その時に「自分がやれるなら挑戦したい」という気持ちがすべてでした。

――声をかけてもらえたというのは?

ユカ デビュー前に、「声優もやってみない?」というお誘いがスタッフの方からあったんです。そもそもその時に音楽でデビューしていたわけでもなかったので、ゼロから声優と音楽の両方をスタートさせていただけたことは、すごく光栄なことだと思います。

――声優と音楽、両方やっていくことに対して、不安はなかったんですか?

ユカ 人生で不安じゃない時なんてないです(笑)。……「不安」の対義語って「安心」じゃないですか。だから、「安心をしている時がない」という言い方が正しいですかね。私は常に「自分自身を変えたい」と思っているので、そういう意味では、ずっと安心はしていないです。

――なるほど。それでは、たくあんさんからの質問に続きますが、「ユカさんが、声優のタカオユキであることを公表せずに活動していた理由とは何ですか?」

ユカ それは、みみめめMIMIの音楽を偏見なく、素直に音楽とちゃもーいの描いた絵だけで感じてもらいたかったからです。決してちゃもーいのイラストを使って、私、ユカの姿をくらませたかったというわけではなく、100%で私たちの“視聴覚音楽”を感じてもらいたかった。そのためには、“声優のタカオユキが歌っている”となるよりも、まずはみみめめMIMIとタカオユキはくっつけないほうがいいと思ったんです。

――それでは、今回なぜ“ユカ=タカオユキ”という発表をされたのでしょうか?

ユカ これも素直に、一番大きいのは生身で音楽を届けたいと思うようになったからです。それには、ライブをしてみなさんの前に立ちたい。それなら、ユカとタカオユキをひとつにしようというところが始まりでした。

――たくあんさんからは「声優活動により、曲作り、歌い方で良い経験となったことを教えてください!」という質問も来ています。声優活動が、みみめめMIMIの活動にどのような影響を与えていますか?

ユカ 元々デビューしてから、みみめめMIMIのユカと声優・タカオユキの“2人”の活動は、あまりつなげないように考えていました。それは自分中心の話でいうと、私は作詞作曲をする時、嫌というほど自分自身と向き合うので、自分について考えれば考えるほど、答えが出なかったりする。

 だけど声優をしている時は、好きなアニメの中で違う誰かになれる。自分の声で違う誰かになる、キャラに魂を吹き込むということは、声優としての一番のやりがいだと思っています。だから、声優を始めてからは、「違う誰かの曲を書こう」と思うようになったり、自分の世界が広がりましたね。

 この間も、世に出るかわからないんですけど、「妄想ひとりじめ」という曲を書きました。これは楽しい感じの曲調で、テレビの向こう側のキャラクターに憧れの恋をしている女の子の曲です。こういう曲が生まれたのは、声優・タカオユキとして活動しているからこその発想なのかもしれません。

――今回発売されるアルバム『迷宮センチメンタル』で、ほかに“声優をしたからこそ生まれた楽曲”というのはありますか?

ユカ 「サヨナラ嘘ツキ」は、デビューして、みみめめMIMI・ユカとしても声優・タカオユキとしても活動していたからこそ生まれた曲だと思いますね。それと「閃光ハナビ」は、アニメ『君のいる町』で私が演じた神咲七海のキャラクターソングで、作詞作曲をしました。この曲は、アニメの舞台でもある成増市に行って歌詞を書いたりしたんですが、やっぱり私が神咲七海役をやっていたからこそ書けたかな、と。

――声優自身がキャラクターソングを作詞作曲をする、というのはすごいですよね。今後、役柄が広くなればなるほど、曲の幅も増えていきそうですね。

ユカ そうですね。例えば、『迷宮センチメンタル』の初回盤にはDVDとオリジナルノベルをつけているんですが、そのDVDの曲と曲の間をつなぐように声を入れて、全部がつながってストーリーになるような仕掛けにも挑戦しました。ただMVを流すだけじゃなくて、声優である自分だからこそ表現できるものがあるんじゃないかな、と。

■声優活動を通じて生まれた『迷宮センチメンタル』の曲たち

(写真/後藤秀二)

――ここからは楽曲についてお伺いしていきます。ブーバルさんからの質問です。「デビュー曲『センチメンタルラブ』を作詞・作曲された経緯を教えてください」

ユカ 「センチメンタルラブ」は、恋愛している友達の話などを聞いていたら、急にふとサビが生まれて、そこから一気に妄想を膨らませて書いた曲ですね。ピアノ弾きながら「ねぇ好きなの」の部分がポーンと出てきました。実際にリリースする時は『君のいる町』のタイアップに決まっていたので、『君のいる町』の原作を全巻読み直して、改めて歌詞を練り直しました。

――『君のいる町』のテーマ曲に決まる前に、曲自体は完成していたということですか。元々日々作詞作曲をされた中で、楽曲のストックがあった?

ユカ 曲のストックは何百曲かあります。それだけあっても、自信のある曲は10曲未満だったりしますが……。その中で、完成させていた曲を『君のいる町』に合わせて練り直したという形です。でも、自分で言うのもなんですが、「センチメンタルラブ」は『君のいる町』にぴったしの世界観だなって思いました!

――ストックの中から、『迷宮センチメンタル』に入ってきた、ほかの曲もありそうですね。

ユカ 「お絵描き」は、私が高校3年生の時に書いてます。今回、高校生の時に書いたこの曲をヒャダイン(前山田健一)さんにアレンジしてもらえるなんて……! って感動がありましたね。

――続いて、アキトさん、りょうさんからの質問です。「今回のアルバムタイトル『迷宮センチメンタル』など、みみめめMIMIのひとつのキーワードにも思える“センチメンタル”という言葉に、何か特別な思いが込められているのでしょうか?」

ユカ もちろんデビュー曲の「センチメンタルラブ」から取っている部分もあるのですが、私にとってのセンチメンタルは、“変わりたい”“叶えたい”“気づいてほしい”の3つです。これはちゃもーいから「ユカちゃんって、全曲わりと叶えてほしくて、変わりたくて、気づいてほしいんだね」って言われて。それを考えた時に、自分自身と向き合えば向き合うほど、自分の嫌なところも見えるし、もっと変わりたいって前を向くこともできる。そんな憧れに対する気持ちがセンチメンタルなのかな、と思います。“気づいてほしい”というのは、誰でも自分を良く見せようとして、背伸びしたりすると思うんですけど、もっと自分の弱いところを認めて強くなりたい。そこに気づいてほしい、という感じですかね。

――なるほど。楽曲の共通点というところですと、「曲を作るときに、今までに作った曲と新しく作る曲の繋がり、といった部分も考えて作曲されているのですか?」という、みみめめ最高!さんからの質問がありました。

ユカ つながりは一切考えてないです。『迷宮センチメンタル』でいうと、(収録された11曲は)11人の一つ一つのパーソナリティだと思っています。でも、やっぱり曲を書いているのは私ひとりなので、一曲一曲違う思いで書いていてもつながるところがあるのは、面白いところなのかな。

――先ほどの“センチメンタル”といった部分も共通しているのかもしれませんね。次は、しゅばるつさんからの質問で、「楽曲『SAY-YOU』について、作曲する際や歌詞に込めた思いなど、詳しくお聞きしたいです!」ということです。

ユカ 歌詞に詰め込んでいる通りなんですが、デビューしてから声優とシンガーソングライターのユカとして活動する中で、すべてがうまくいくわけでもない。そんな時に家で夜中に泣きながら「うわー!」って書いた曲です。曲を書くと気持ちが落ち着くんですよね。まだまだ未熟で、思うようにいかないこともたくさんあるんですけど、それでも信じて頑張りたいという気持ちを込めた、私的に前向きな曲です。

――「SAY-YOU」というタイトルからもうかがえますが、この曲こそ、声優活動をしてこなかったら生まれなかった?

ユカ 絶対に生まれなかったです。やっぱり、みみめめMIMIとして、タカオユキとして、今でこそひとつになったけれども、2人の人間として活動をしていることにどこかジレンマを感じていて……。だから、この曲に「悩み」と「それでも信じて進もう」という思いをぶつけました。自分でこの曲を書いて、ユカとタカオユキをひとつにできたという感覚があって、すごくスッキリしましたね。

■仰天企画に、相棒・ちゃもーいのこと……みみめめMIMIの未来

(写真/後藤秀二)

――続いては、アゴドラムさんからの質問。「1stアルバムをひっさげたツアーはやらないんですか? 是非是非是非是非やって頂きたいと思っています!」

ユカ アルバム云々ではなくツアーには憧れてますね。やりたい気持ちはみなさんより強い自信があります! ライブをするようになって、いつかこの先、生身で歌を届けたいと思っています。

――「みみめめMIMIデビュー2年目で、何かこういう新しいことをやってみたい! と考えていることはありますか?」というのは、ブーバルさんからの質問です。

ユカ まず、2年目は1年目と違って、ライブ活動を勢力的にやっていきたいと思っています。それと、先ほど言ったアルバムでのオリジナルノベルも初挑戦でしたし、最近はファッションブランド「milke fed.」さんとのコラボもさせていただいたりしたので、音楽から一歩出た挑戦もしてみたいです!

――色々オールマイティに活動をする中で、一概には言えないと思いますが、ユカさんにとっての軸はどちらにあるのでしょうか? みみめめMIMIのユカか、声優・タカオユキか。

ユカ 私の中では、どっちも100%ずつで向き合っていています。自分がなれるとも思ってなかった声優が、こんなに大きな存在になるなんて思ってなかったです。

――肩書にはこだわってない?

ユカ そうですね。名前もタカオユキだったり、ボーカルのユカだったり、色々な名前があって……。私自身、一時期スタッフさんに「ユカはユカのままでいいのか?」なんて、ぐちゃぐちゃ言ったりしたんですけど、本当に今は「名前なんてどうでもいいな」と思うようになりました。私の声であったり曲自体を覚えてもらって、愛してもらえるような存在になれればいい。みみめめMIMIは好きだけど、タカオユキの存在は知らなかったっていうのも全然ありなんです。

――こちらは、やまもとさんからの質問。「一度でも耳と目の担当を逆にした楽曲を出す予定はありますか? 面白そうです」ということなのですが、こちらはいかがですか?

ユカ ちゃもーいが歌うってことですよね! 実は、ちゃもーいも曲を書いたことがあって、作詞作曲、編曲をやってる曲が2曲くらいあるんですよ。入れるとしたらボーナス・トラックみたいにして……。そしたら、“めめみみMEME”ですね(笑)。面白いので、ちょっと候補に考えておきます! 反対されるかもしれませんが(笑)。

――最後の質問は、SoleiLさんからいただいた「ちゃもーいさんの性格おしえてっ!」です。いかがでしょう?

ユカ ちゃもーいは、明るくて、負けず嫌いで、基本引きこもりで、遅刻魔で……不思議な子ですね! どちらかというと私のほうが現実的で、ちゃもーいがファンタジーといった感じです。「今からオリンピックを目指そう」とか言い出したりしますし(笑)。音楽も、2人ともポップスが好きなんですけど、私がハードなロックを聞いたりして、ちゃもーいはエレクトロだったりボーカロイドを聞いたりと、好きなジャンルが違ったりもします。ただ、彼女は自分の絵にプライドを持っていて、そういったところは尊敬してます。負けず嫌いで、1日中pixivとかを見ては「このイラストレーターを追い抜きたい」とかって言うんですけど、良いと思った人の単行本とかはちゃんと買ってたりする。ネットだけ見てグチグチ言っている人とは違うな、と。こんな風にお互い色々影響し合っていると思います!

――シンガーソングライター、声優としての活動はもちろん、相棒のちゃもーいさんからも色々な刺激を受けているということですね。本当にマルチな活動をされていますが、今後もさらに幅広いジャンルへの挑戦を期待しています。本日はありがとうございました。
(取材・構成/編集部)

迷宮センチメンタル
アーティスト:みみめめMIMI
発売日:8月13日
価格:通常盤 【CD】 2700円
   初回盤【CD+DVD+ノベル】 3200円(共に税抜き)

■「みみめめMIMI」公式HP
http://www.mimimememimi.com/

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