「週刊少年ジャンプ」情報レビュー

ラブコメ推しの復活なるか? 「週刊少年ジャンプ」が西尾維新初のラブコメを2作同時掲載

――発行部数267万部(一般社団法人 日本雑誌協会発表)を誇る最強の少年マンガ誌「週刊少年ジャンプ」(集英社)。そんな「ジャンプ」の最新情報をさまざまな角度からご紹介!

1408_jump3738.jpg「週刊少年ジャンプ」2014年37・38合併号(集英社)。

 本日発売の「週刊少年ジャンプ」(以下、「ジャンプ」)2014年37・38合併号、巻頭カラーを飾るのは連載17周年となる『ONE PIECE』だ。本作は約6年ぶり、5回目となるキャラクター人気投票を開催した。国民的人気マンガだけに、投票結果だけでなく投票応募数も気になるところ。ちなみに本作の人気ぶりはもはや説明するまでもないが、今号の作者コメントでも触れられているように、バンダイナムコゲームスが提供するスマートフォンゲームアプリ『ONE PIECE トレジャークルーズ』が破竹の勢いを見せている。5月の配信開始から1カ月の6月時点で、500万DLを達成。これはバンダイナムコゲームスのゲームアプリで最速の記録だという。17年という長期にわたる連載でも人気の衰えを感じさせない『ONE PIECE』、その地位はまだまだ揺るがなそうだ。

 今週の掲載順では、先週中盤に下降した『火ノ丸相撲』が『ONE PIECE』『食戟のソーマ』に続いて、センターカラーで登場し、快進撃を続けている。一方で、先週表紙と巻頭カラーとなった『BLEACH』は急降下し、最下位から上に向かって『HUNTER×HUNTER』『BLEACH』『ILLEGAL RARE』という並びとなった。『BLEACH』は35号で、『ILLEGAL RARE』は36号で最下位となっており、予断を許さない状況といえるだろう。今号では先週からの掲載順に大きな変動がほとんどなく、上位を保持する人気作と、中盤以降が定位置となっている作品が顕在化しつつある。新連載陣の浮沈に注目すると共に、今後の波乱にも期待がかかる。

 今号の注目は、作家・西尾維新を原作に据えた2本の特別読み切りだ。今回の2作は、“西尾維新史上初100%純ラブコメ!!”と銘打たれている。1作目『ある朝起きたら』の「漫画」を河田悠治、2作目『返信願望』の「漫画」をミヨカワ将と、それぞれ「ジャンプ」連載経験のある作家を起用。河田悠治は『奇怪噺 花咲一休』『スモーキーB.B.』を、ミヨカワ将は『ST&RS-スターズ-』を連載していた。一方の西尾維新は、アニメ化もされた『めだかボックス』を「ジャンプ」で連載していたほか、『DEATH NOTE』『ジョジョの奇妙な冒険』といった「ジャンプ」作品のスピンオフ小説、こちらもアニメ化されている「〈物語〉シリーズ」(講談社)に加え、「『戯言』シリーズ」(同)や「『世界』シリーズ」(同)といったノベルス、文学手法のリポグラムを採用した実験小説的短編集『りぽぐら!』(同)など、数多くの著作と言葉遊びを多用する作風で知られている。青少年と少女をメインキャラクターに据えた作品も多いが、意外にも純粋なラブコメは初めてということ。新境地たる作品の出来栄えにも注目だ。

 ちなみに現在、「ジャンプ」連載のラブコメは『ニセコイ』のみ。『ニセコイ』といえば、作者の古味直志と西尾維新は「ジャンプ」20号にて対談を行なっている(参照)。本作の制作経緯は明かされていないが、この対談の影響があるのかもしれない。『ニセコイ』と並んで『パジャマな彼女。』『恋染紅葉』が連載されるなど、2012年頃にはラブコメへの注力が伺えた「ジャンプ」だけに、ラブコメ方面の今後の展開にも注目だ。
(雑誌やマンガ作品に関して、言及のない限り、版元は集英社。文中、敬称略)

新本格魔法少女りすか (講談社ノベルズ)

新本格魔法少女りすか (講談社ノベルズ)

“ラブコメ要素”は散見されど…。

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