〜私は如何にして心配するのを止めてYUIMETALを愛するようになったか〜 第1章

BABYMETALの“メタル・レジスタンス”を追う―30才の男が15才の女の子に夢中になった 

2014.08.07

 アイドルに全く興味なかった。
なのにどうして、私のカバンにはYUIMETALのキーホルダーがぶら下がっているのか。これは、BABYMETALに身を捧げた30才独身男の“参戦”の記録である。

(イラスト/竹内道宏)

■「BABYMETAL その振り幅は生と死レベル」

 気持ち悪いことなのでしょうか。30才の男が15才の女の子に夢中になるのは。

「いや、ヤバいよ」と友人に心配される。
 そして尋ねられる。
「なんか最近ベイビーメタルにハマりすぎてるけど大丈夫?(笑)」
 三点指摘したい。
・大丈夫である
・ベイビーメタルじゃなくて“ベビーメタル”である
・(笑)って笑い事じゃないのである

 今までに観たことのない世界に触れた時、偶然目の前にいたのがベイビーメタルじゃなくてベビーメタルだった。その時の気分は大丈夫だったが、実際は確かに大丈夫ではなかった。なぜなら笑い事じゃ済まされない、マジでヤバい光景が広がっていたからだ。

 客席では人々が全速力で身体をぶつけ合い、ステージでは当時13才の女の子2人が全速力でステージを端から端まで駆け抜ける。真ん中にいるのは一体どこから来たのか何から生まれたのか、恐ろしいくらいの歌唱力を持つ女の子1人。

「なんじゃこりゃ。」
 物凄い世界だった。忘れもしない、昨年2月。知人に誘われて軽い気持ちで観に行ったZepp Tokyoのワンマンライブで度肝を抜かされた。「衝撃」という言葉はこの日のために取っておきたかった。最初は舐めていた。心配する友人のように甘く見ていた。しかし、彼女たちは自身の幼さに甘えていない。
「We are BABYMETAL!」「See You!」
 基本、歌以外で発されるのはこの二言のみ。悩みも葛藤も見せない。言葉を一切発さずに物凄い結果だけを残し、その場を去っていく。

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