スタジオジブリ制作部門解体発言でも話題に! 『情熱大陸』がとらえた鈴木敏夫氏の姿

2014.08.05

  スタジオジブリが大きく変わろうとしている。

 ドキュメンタリー番組『情熱大陸』(TBS系)の8月3日放送分は、スタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫氏に密着。この番組にて、鈴木氏が株主総会で「ジブリの製作部門を解体する」と発表するシーンが放送されたことで、大きな波紋を呼んでいる。

 ひとりの人物に焦点を当てて密着する同番組では、鈴木氏を約180日にわたって取材。その中では、せっせと事務所を掃除するシーンや、スタッフに檄を飛ばす場面が映し出されたほか、「どうでもいいとこで人に謝ってると大事なところで謝れない」「分かんないものは分かんないままとっておけばいい。相手が子どもだからって全部分かるように作る必要ない」といった鈴木氏の哲学も披露されていた。

 また、鈴木氏の口からは「『ゲド戦記』だって大変でしたよ。なかなか扱ってもらえなくて、頭下げて頼んだり。<中略>(『ゲド戦記』)は出版物も出ないし……。『千と千尋(の神隠し)』は期待値低かったし。『もののけ姫』はフロック(まぐれ)だって言われてた」と語るなど、これまでのジブリ作品にまつわる苦労話も。

 さらに最新作『思い出のマーニー』は世代交代を見越して、2年前から制作を進めていたこと、制作や宣伝をスタッフに任せて鈴木氏自身が一切口を出さないと決めていたことなども明かされた(最終的に西村義明プロデューサーに請われる形で鈴木氏は同作の宣伝コピーを担当することになる)。

 そのほか、作品の完成披露試写会当日に「中日ドラゴンズの試合が気になる」と言ってアトリエで野球中継を見る姿や、現・中日ゼネラルマネージャーの落合博満氏を引き合いに出して話をする場面など、生粋の中日ドラゴンズファンっぷりも映し出されていた。

 件の話題となっている株主総会での発言だが、鈴木氏によると「スタジオジブリの全容に大きな変更を加える。制作部門を解体しようかと」「再構築、それをしばらくの間やろうと思っている」と述べ、次回の作品については「延々と作品を作り続けることは不可能ではなかったけど、一旦ここらへんで小休止して、これからのことを考えてみる」ということだった。

 宮崎駿氏の長編アニメーション引退後、大きく制作体制も変わることとなるスタジオジブリ。すでに方方からはドワンゴやディズニーによる買収の噂が聞こえてくる。果たして今後のスタジオジブリの行くすえは? 一抹の不安はあるものの、スタジオジブリの次回作を期待して待ちたいところだ。

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