「深夜アニメ 闇夜の千本ノック」【2014年 夏】

実写志向に“ゲキメーション”風…夏の怪作『闇芝居』【第一話レビュー】

2014.07.25

――ジメジメ蒸し蒸し、鬱陶しい梅雨空と台風をスカッとアニメでぶっ飛ばせ! 7月より放映開始された2014夏の深夜アニメの第一話をレビューして、オススメ作品をコンセルジュする連載「深夜アニメ 闇夜の千本ノック」! ※放送日などは全国ネット及びTOKYO MXに準拠します。

【6日(日)編】

■『闇芝居(第2期)
第1話「タロちゃん」

闇芝居制作会社のILCA公式HPより。

 巷に伝わる都市伝説をモチーフに、総合演出・アニメ制作をILCAが手がけるホラーショートアニメ。

 血のように真っ赤な夕焼けの夕暮れ時。公園の片隅に、デパートの屋上の遊園地に、どこからともなく奇妙なお面を付けた紙芝居屋のおじさんが現れる。おじさんが語る都市伝説の紙芝居に、子供達は吸い寄せられるように夢中になってゆくのだ……。

 夏と言えばやはり怪談、ホラーの季節。その期待に応え、昨年から日曜深夜の深い時間にひっそりと放映されていたショートアニメの『闇芝居』が第二シーズンとなって帰ってきました。第1話は、交通安全のための腹話術人形タロちゃんを操る若いおまわりさんを襲う奇怪な出来事が描かれました。

 紙芝居屋役の声優に俳優の津田寛治さんを起用するなど、元々実写志向の強い本作でしたが、新シーズンでは『呪怨』シリーズに『富江 re-birth』の清水崇、『ゾンビアス』『デッド寿司』の井口昇、『漫☆画太郎SHOW ババアゾーン』『魁!! クロマティ高校 THE★MOVIE 』(共に脚本)の増本庄一郎など、実写畑のクリエイターをゲスト監督として召喚。さらなる恐怖表現のパワーアップを図った模様。

 フルCGで製作されている本作ですが、泥臭い手描きタッチのイラストが画面上を動きまわる作風は、切り絵のキャラクターを背景の上で動かす“ゲキメーション”の技法で製作されたテレビアニメ『妖怪伝猫目小僧』と、この“ゲキメーション”を意識的に再現したアニメ映画『燃える仏像人間』を彷彿とさせます。不安げなおどろおどろしい雰囲気を再現するのはやはりこの表現方法が好まれる、ということでしょうか? 興味深いところですね。

 知る人ぞ知るという感じの怪作である『闇芝居』ですが、夏休みに突入した今の時期、こっそりと夕方の時間に再放送して、偶然見てしまった小学生の心にトラウマを植え付けてほしいなぁ……と密かに願う恐いモノ好きの筆者なのでした。

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ハイスクールミステリー学園七不思議』『怪談レストラン

(文/出口ナオト)

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