――ジメジメ蒸し蒸し、鬱陶しい梅雨空と台風をスカッとアニメでぶっ飛ばせ! 7月より放映開始された2014夏の深夜アニメの第一話をレビューして、オススメ作品をコンセルジュする連載「深夜アニメ 闇夜の千本ノック」! ※放送日などは全国ネット及びTOKYO MXに準拠します。
【6日(日)編】
■『月刊少女野崎くん』
第1話(創刊号)「その恋は、少女漫画化されてゆく。」
スクウェア・エニックス刊「ガンガン ONLINE」連載の椿いずみ原作の四コママンガを山崎みつえ監督とアニメ制作・動画工房によってアニメ化。
16歳の女子高生・佐倉千代は隣のクラスの無骨で無口な男子・野崎梅太郎に恋してしまい、思い切って告白。なぜか野崎はその場でサイン色紙を描いて渡してくれた。更には自宅に来るかと誘われた千代はどぎまぎしながら野崎の部屋に向かうと、突然描きかけのマンガ原稿を渡されベタ塗りの手伝いをさせられる。実は野崎は高校に通いながら「月刊少女ロマンス」で連載を持つ人気少女マンガ家・夢野咲子でもあったのだ……。
今期のスクウェア・エニックス枠アニメ3つ目。いや、これは素直に面白い作品です! 原作はギャグコメディ4コママンガなのに、見事に古き良きタイプのラブコメ少女マンガ的世界観へと昇華されています。この発想の転換は『八犬伝 -東方八犬異聞-』 『輪るピングドラム』 『夏雪ランデブー』などを演出してきた山崎みつえ監督と、同じく『八犬伝―東方八犬異聞』や『純情ロマンチカ』『薄桜鬼』『緋色の欠片』を手がけてきたシリーズ構成・脚本の中村能子さんという、女性向け作品を数多く手がけ、“アニメ女子力”を高めてきたお二方のセンスによるところが大きいと思います。
野崎役の中村悠一さんがぶっきらぼうで恋愛に鈍感な等身大の高校生像を表現する一方、千代役の小澤亜李さんも萌えボイスと異なる、片思いを応援してあげたくなるなんとも可愛らしい口調で演じておられて、これは主役二人ともはまり役だと思いました。
内容的にはマンガ家の仕事を描く業界物的側面もありますが、主軸はあくまで千代を中心としたモジモジ系のラブコメ。なので担当編集者のチェックが通る前の原稿にすでにペン入れし始めるようなおかしな描写もありましたが、そこは目をつぶることとしましょう。今後は二人の周囲の生徒たちもどんどんストーリーに絡みだすようで、高校生日常系アニメとしても楽しめそうです。
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『マンガ家さんとアシスタントさんと』『バクマン。』
(文/出口ナオト)
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