証拠開示を拒否する検察官…CG児童ポルノ裁判は予想外の長期化へ

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 空想した少女のヌードを写実的に描いたCGが「児童ポルノ」にあたるか否かをめぐって争われているCG児童ポルノ裁判が、予想外の長丁場になってきた。7月14日、非公開の期日間整理手続が開催された。しかし、弁護団と検察官の間で、証拠の開示、論点をめぐる攻防は終わらず、次回9月4日に再び非公開の期日間整理手続が実施されることになった。

 裁判でまず問題になっているのは、検察側の主張が不明瞭である点がまったく改善されていないことだ。山口貴士弁護士によれば、14日の期日間整理手続では裁判官が話し合いを行う前提として、逮捕容疑となったCGがなぜ「児童ポルノ」に該当するのか、検察側の主張が論理的ではなく、よくわからない点を指摘。これについて、8月末までに検察側が書面で主張を提出した上で再度話し合いをすることになったという。

 また、弁護団と検察側が最も対立している点は、依然として検察官が証拠であるCGの作成過程がわかるPhotoshopのデータを開示することを拒否していることだ。山口弁護士によれば、検察側は「もとの写真(注:検察側が素材に使ったとする「児童ポルノ」)とCG(Photoshopのデータ)とは明らかに似ているから、開示する必要はない」との主張を繰り返しているという。

 裁判所側は、歩み寄れるようなら証拠開示を行うべきではないかとの意見も出しているが、検察側が頑なな態度を取っているようだ。

 ここで気になるのは、今後の裁判の日程だ。昨年12月から始まった裁判であるにもかかわらず、二カ月余り先の9月4日になっても、期日間整理手続。いまだに被告人質問すら行われていない状況では、いったい判決が出るのはいつになってしまうのか。

「経験から得た感触では、判決は早くて来年2月。もしかすると春になると思っています。いずれにしても、年内に被告人質問などはやりたいと思っていますが……」(山口貴士弁護士)

 予想外に長期化する裁判。おそらく、勝っても負けても控訴は濃厚。CG児童ポルノをめぐる結論が出るのは、何年先になるのか……。
(取材・文/昼間たかし)

Adobe Photoshop Elements 12 Windows/Macintosh版

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”CGの作成過程がわかるPhotoshopのデータ”って、もとの写真を下書きレイヤーに置いたpsdデータでもあるのだろうか…

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