小林幸子のコミケ参戦は大丈夫か？　懸念の声も上がる中、期待されるのはコミケを支える参加者のモラル

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「幸子プロモーション」公式ウェブサイトより。

　歌手・小林幸子がコミックマーケットに初参戦することが公表され、話題を呼んでいる。小林は1953年生まれの60歳。1963年、9歳の時にTBSの歌番組『歌まね読本』でグランドチャンピオンとなり、同番組審査委員長の古賀政男にスカウトされ、以来歌手としての人生を歩んできた。33回連続出場した『NHK紅白歌合戦』では、毎年豪華な「衣装」で登場し注目を集めてきた。しかし、2012年4月に25年間にわたり個人事務所を支えてきた元社長の関根良江氏と女性の元専務を解任するというお家騒動が勃発。騒動の余波を受けて2012年の『NHK紅白歌合戦』には落選するという「転落劇」にも見舞われた（このあたりの経緯は、姉妹サイト「日刊サイゾー」をどうぞ）。

　ところが、既存の芸能界に見切りをつけたのか、騒動を経て小林は路線を大幅に変更してきた。2013年の大晦日に行われたニコニコ動画のカウントダウンライブ、今年4月の「ニコニコ超パーティー3」に出演と、大物歌手とは思えない方法で新たなファン層を開拓してきた。いわば、小林は芸を売って糧を得る者の原点といえる“門付”の現代版ともいえるところへ至ったのである。今回のコミックマーケットへの参加は、こうした新たな路線と同一線上にあるものといえ、ここに来て原点回帰を図るあたり人生の大半を芸の道で生きてきた根性を強く感じる。

　今回、小林のサークル・「5884組」 （コバヤシグミ）で頒布されるのは、初音ミクの「みくみくにしてあげる♪」の替え歌である「さちさちにしてあげる♪」などを収録したCD。当日は、小林本人がブースに立つ予定だという。

　一方、大物歌手の参戦ゆえに相当の行列が予想され、コミケ参加予定者からは懸念の声も上がっている。しかし、コミックマーケット準備会に近い消息筋によれば「混乱が起こるほどのものとは考えてない」という。というのも、「5884組」のサークル配置は、行列を予想してか“壁サークル”の扱い。“壁サークル”は行列などにも対応しやすく、いわば準備万端なわけで、コミックマーケット初参加のようなファンがやってきても問題はないと考えられているようだ。

「これまでも、コミックマーケットが年少向けの雑誌に取り上げられて、事象をわかっていない子供が大挙してやってきたらどうする、という懸念が起きたこともあります。けれども、大きな混乱になったことはありません。ただ、（熱射病などが起こりやすい）暑い季節ですし、カタログを購入するか公式サイトにアクセスするかして、注意事項はしっかり読んできてほしいです」（前出の消息筋）

　ここ10年あまりの間に、コミックマーケットの参加者の顔ぶれは大幅に多様化した。小学生の姿を見かけるのは当たり前だし、初老以上の参加者も珍しいものではなくなっている。もちろん、時としてルールやマナーに反する出来事が起こることもあるだろう。そういう人を見かけたら教え諭すのが、みんなで作り上げてきたコミックマーケット・ベテラン参加者の流儀のはずだ。
（取材・文／瓦千秋）

■コミックマーケット公式サイト
http://www.comiket.co.jp/
■コミケットマニュアル（PDF）
http://www.comiket.co.jp/info-c/C86/C86comiketmanual.pdf