猟奇と社会派的内容を盛り込んだ新感覚ホラー『東京喰種 トーキョーグール』【第一話レビュー】

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――ジメジメ蒸し蒸し、鬱陶しい梅雨空と台風をスカッとアニメでぶっ飛ばせ！　7月より放映開始された2014夏の深夜アニメの第一話をレビューして、オススメ作品をコンセルジュする連載「深夜アニメ　闇夜の千本ノック」！　※放送日などは全国ネット及びTOKYO MXに準拠します。

【3日（木）編】

■『東京喰種 トーキョーグール』

第1話「悲劇」

『東京喰種』公式サイトより。

　集英社刊「週刊ヤングジャンプ」連載の石田スイの原作マンガを監督・森田修平、アニメ制作・studioぴえろによりアニメ化。

　夜に潜み、人間を襲いその肉を貪る怪物“喰種（グール）”。見た目が人間と変わらない喰種は東京の闇に隠れながらも勢力を伸ばしていた。大学生・金木研は、自分と同じく読書好きの少女・神代利世と知り合う。二人の初デートの帰りの夜、突然利世は喰種の本性を剥き出し、金木に襲いかかる！　しかしその時予想外の事故が起きて……。望まずして喰種となってしまった金木。次々と出会う喰種たちの生き様に何を見るのか？

「ヤングジャンプ」で好評連載中のホラーマンガが満を持してアニメ化。と言ってもよくある人類と魔物とのバトルがメインではなく、序盤は望まずに人ならざる者に変わってしまった主人公の葛藤が描かれるゾンビものに近い内容となっています。深夜枠放映の強みで流血描写は多めですが、物語の世界観と主人公の放り込まれた異常な状況を1話でよくよくまとめあげていた印象。原作ではもっと後で登場するキャラクターもちらりと出演するなど、原作を知る視聴者への目配せも忘れていません。

　原作コミックスは現在12巻まで発売されていますが、アニメ版では1クール放映のため、かなりのハイペースで展開していく模様。だれることなくテンポよくストーリーが進んでいくのが期待できます。

　今後の展開は、普通の大学生として無気力に日常を過ごしていた金木が、人間の肉を食べないと生きておけない喰種となってしまったことで、東京の裏の世界に巣食うほかの喰種たちと対立・交流してゆき、人間とは何か？　人間社会を構成する世界はどうなっているのかについて悩み、考え、行動してゆく内容になるようです。ただの悪趣味グロテスク路線ではなく、猟奇と社会派な内容を盛り込んだ新感覚ホラーアニメとして、この夏の夜に30分の恐怖体験を味わってはいかかがでしょうか？

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（文／出口ナオト）