日本のラノベは世界に通用する!! トム・クルーズが何度も死んでは生き返る映画『All You Need Is Kill』レビュー

2014.07.06

※本文中には“ネタバレ”が含まれていますので、ご注意ください。

映画All You Need Is Kill公式HPより。

 謎の侵略者“ギタイ”からの激しい攻撃で、滅亡寸前に追い込まれた世界。戦闘スキルゼロのケイジ少佐は最前線に送り込まれ、開戦5分で命を落とす。だが次の瞬間、彼は出撃前日に戻っていた。その時から同じ日を無限に繰り返すケイジ。やがて彼は最強の女性兵士リタと出逢う。ケイジのループ能力が敵を倒す鍵になると確信したリタは、彼を強靭な“兵器”に変えるべく、徹底的に鍛え上げる。“戦う・死ぬ・目覚める”のループを繰り返すことで別人のように成長したケイジは、世界を、そしてかけがえのない存在となったリタを守りきることができるのか──?(公式サイトより)

 2004年に集英社スーパーダッシュ文庫より刊行された桜坂洋氏の同名小説『All You Need Is Kill』を、主演にトム・クルーズ、監督に『ボーン・アイデンティティ』などで知られるダグ・ライマンを迎えての堂々の映画化!

 国内の実写映画化やアニメ化ならもはや話題にもなりませんが、さすがに「日本のライトノベルがハリウッド映画に!」と聞けば、オタクとしてはじっとしてはいられません。“日本原作、トム・クルーズ主演!”という、あまりに大雑把なキャッチや、原作では訓練校を出たばかりの若き初年兵だった主人公ケイジが、主演の齢52歳トムさんの都合で、軍のメディア担当者になっていたりと、若干不安な要素がなかったわけではありませんが、早速、見に行ってきましたよ。

 さすがはハリウッド大作だけあって、かけつけた映画館はほぼ満員。通いなれたアニメや特撮映画の客席に比べると女の子やカップル率が異様に高いのは、やっぱりトム効果でしょうか。教祖さまが原作を務めた映画『バトルフィールド・アース』は大コケしたので、たぶんサイエントロジー(※トム・クルーズが入信している新興宗教で、同映画の原作はその創始者L・ロン・ハバード)効果ではあるまい、などとどうでもいいことを考えながら、上映開始を待つ私でした。

 で、まずは観た感想ですが……面白かった。そして色んな意味でハリウッド映画っぽかった! 印象としては“新年兵が初出撃の一日をループする”という原作の核となるアイデアをもとに、いかにケイジ(トム・クルーズ)が最強の兵士になり、ギタイを殲滅させるかを描くアクション&サスペンス主体のストーリーにアレンジしている感じ。

 原作は、ケイジが訓練校を出たばかりの若き初年兵だったこともあり“ボーイ・ミーツ・ガール”的な成長物語の側面が強く、キャラクターの内面描写やループ能力およびギタイの謎が求心力として引っ張っていく物語でしたが、映画版は怒涛の戦闘描写とSFXを駆使した、観始めると一気にクライマックスまで進むジェットコースタームービー。

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