「沢城みゆきさんのようになりたい」 50代の風俗ライターが、声優を夢見る歌舞伎町の風俗嬢に出会った話

――風俗業界が“オタク化”していることを当サイトが報じた参考記事。そこで、実際にオタク風俗嬢に出会ったという風俗ライターのエピソードを見てみよう。

140614_otakuhuzoku.jpgオタクのための風俗ガイド」(サイゾー)

 最近の風俗嬢はオタク化が進行していると言われている。私は長年、風俗ライターをしており、普通の方々より多く風俗嬢たちに接しているが、そのことは実際に風俗の現場に行くと本当にその通りだと思うしだいである。

 先日もこんなことがあった。新宿歌舞伎町に、最近開店した人気のピンサロ店があり、体験取材に言った時のこと。その店は20代前後の若い娘が主流で、女子が何人もサービスしてくれる回転制を導入していることで話題になっており、その日も平日なのにかなりの客が来店し繁盛していた。
 
 私はその回転制にトライし、そこで3人の娘に出会った。ピンサロの場合はサービス前に軽くあいさつ風なトークをするわけだが、そうしたらなんと、みんなアニメ話ばかり! 最初の2人は普通に『新世紀エヴァンゲリオン』『進撃の巨人』といった有名作品や、ジブリ作品の話をした。このあたりはみんな見ている作品なので無難なトークだった。

 だが、3人目は筋金入りのアニオタだった。最近はどのアニメ観ていると軽く話をふると、『ノラガミ』『シドニアの騎士』『ノーゲーム・ノーライフ』と、出るのはマニアックなタイトル。ちなみに私も50才過ぎの老年オヤジだが、大のアニメ好きなので、そのタイトルは熟知。自分も観ていると言うと、彼女も大喜びしてくれ話が盛り上がり、初対面の私に身の上話を告白してくれた。

 彼女は四国からアニメ声優を目指して、同じ目的の友達と上京。2人で安アパートに同居し、声優の専門学校の入学資金を稼ぐ為に友達はヘルス、自分はピンサロで働いているとか。そして「声優の沢城みゆきさんに憧れているんですよ。彼女みたいになりたくて。なんとかガンバリマス!」と笑った。そんな彼女にガンバリなさいよと言うと、とてもいい笑顔で「はい!」と返してくれた。なお、彼女にこの店の子はみんなアニメが好きなのかと尋ねると、「うん、そうだよ。みんなアニメ好き」と語っていた。

 このように、今や風俗嬢のほとんどがアニメ好き。中には声優志望の子もいるのだ。まあ考えてみれば、これだけアニメが蔓延している状況だから、見ているのはもはや普通かも。アニメと言うとオタクだけの時代は、もはや終わりを告げているのかもしれない。だから、風俗トークもアニメ話が普通。私は50才過ぎてもアニメを見ていてしみじみ良かったと思う。あんな声優志望のピンサロ嬢に出会えたのだから。同じアニメ好きとして心から彼女を応援したいと思う。
(文/ミナミノカイジ)

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