『アーク・ブラッド』の作者が原因不明のまま作品から降板することに!ライトノベル界で前代未聞の事態が発生!?

 ライトノベルにおいて“前代未聞の騒動”が起き、話題になっている。6月30日、アニメ『棺姫のチャイカ』の原作者などで知られる榊一郎が自身のTwitterで、中央公論新社C-NOVELSで展開中の『アーク・ブラッド』を編集者との相談の結果、著作者の立場から退くことになったと発表した。続いて『アーク・ブラッド』シリーズは以後ほかの著者を立て、榊一郎は原案の立場に退くこと、また以降『アーク・ブラッド』シリーズのような世界観、キャラクター、設定と酷似した小説を数年間執筆しないことを編集部から要請され、受理したと伝えた。

 話題に上がっている『アーク・ブラッド』は、突然の事故に巻き込まれた主人公・明久が目を覚ますと、そこは数千年後の未来で、そこで貴重な「人類の原種」となっていた明久は「侵略体」と戦う女神の力を増幅させる「原種人類」として遺伝子の提供を迫られ、戦いに巻き込まれていく物語。2012年9月に1巻、2013年9月に2巻が発売された。

 ライトノベルでは、『IS 〈インフィニット・ストラトス〉』や『人類は衰退しました』など、挿絵イラストレーターが変更になる事例が散見されるが、榊自身も「ライトノベルとしては前代未聞に近い事態」と言うように、突如原作者が作品を手放すのは異例中の異例だ。今回の事態にネットでは「何があったんだ」というような戸惑いの声が上がったが、榊一郎は「詳細は『大人の事情』でありまして、読者の方々にお伝えする事は出来ません」と閉口状態。また編集部とも揉めていないとし、理由は明らかにされなかった。

 続いて、榊氏は「元々『アーク・ブラッド』に関しては1巻の段階から製作工程上の問題を抱えておりまして」とし、これをなんとか解決しようと編集部とともに尽力したが、2巻の段階でも解決できず、3巻の執筆に入る段階で製作工程が破綻したと伝えた。だが、“製作工程上の問題”も詳細を言うことはできないとしている。

 Twitterなどでは今回の件に関し、榊一郎が仕事をしすぎているから手放したのではないかという予測が一部で立てられた。実際に榊一郎は「働きすぎ」なラノベ作家として有名で、2012年は15冊もの単行本を刊行した。また、『棺姫のチャイカ』だけでなく近年『アウトブレイク・カンパニー』や『神曲奏界ポリフォニカ』などもアニメ化されている売れっ子作家。現在、榊一郎が抱えている未完結の作品は9作品にのぼっており、単純にパンクして手が回らなくなってしまったからと言われても違和感はない。一方で、榊氏は一連のツイートの中で、中央公論新社C-NOVELSで新作を準備中とも伝えており、『アーク・ブラッド』の降板は多忙が理由だとは思えない。

 製作工程の中に原因がありそうだが、理由がここまで明らかにされないとどうにもさっぱりしない。榊氏が「自分の手でシリーズを完結できなくなったのは残念です」とツイートしているのでなおさらだ。だが、『アーク・ブラッド』は作者が決まり次第再開し、挿絵を担当している倉嶋丈康は続投するとのこと。ファンにとっては名残惜しい結果となってしまったが、事の顛末とともに今後の展開を注視したい。

棺姫のチャイカIX (富士見ファンタジア文庫)

棺姫のチャイカIX (富士見ファンタジア文庫)

多忙が理由でないにしろ、榊一郎はちょっと休んだほうがいいかも!?

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