聖地巡礼にゲームの歴史展示…『ばらかもん』を期に改めて辿る“長崎×アニメ・ゲーム”史

2014.07.06

 今年はアニメでも、ロボットものが多い年として注目が集まっている。4月期のアニメにて、1クール放送された『風雲維新ダイ☆ショーグン』で企画・原案の笹原和也さんは、アニマ(旧:笹原組)からILCAへと、自身と共に成長した組織から独立し、気鋭の作品に取り組み続けている。特に90年代後半からのCG作家の動向を追い続けている人なら、それまでの経歴を振り返って感慨にふけることもあるだろう。

 その『風雲維新ダイ☆ショーグン』も、ロボットアニメの範疇に入る作品であった。幕末の長崎を舞台に、数々の維新志士をモチーフとしたキャラクターが登場していた。

 長崎県というと、1996年放送のロボットアニメ『機動戦艦ナデシコ』のネルガル重工が、佐世保市に工場を置いていたことでも思い出す人もいるかもしれない。このほか同県を舞台としたアニメでは、最近では2007年の『sola』(長崎市)や12年の『坂道のアポロン』(佐世保市)などがある。また昨年は“永瀧”として長崎市内が扱われていた『幻影ヲ駆ケル太陽』があった。

 そして今年は7月期にも長崎県を舞台としたアニメがある。5日から放送開始の『ばらかもん』は、五島市を舞台に書家と島の住人との交流が描かれるマンガを原作としている。アニメ化に際し、アニメの背景絵師として著名な山本二三さんが、同市出身であることからキービジュアルを担当した。

 このほか長崎に関する作品では『NAGASAKI 1945 アンゼラスの鐘』や『ペコロスの母に会いに行く』がある。『NAGASAKI 1945 アンゼラスの鐘』は、05年に原爆投下から60年を期して制作された長編アニメ映画。『ペコロスの母に会いに行く』は、認知症をテーマとしたマンガが原作で、昨年、実写によりドラマ化と映画化を果たしている。

 言うまでもなく長崎は、観光地として人気がある。このように改めて作品の観点から眺めても、幕末や戦後など、重厚な歴史を感じさせる土地柄であることが見えてきて、充分に楽しめる。特に今年一番の話題は、やはり実写映画版『進撃の巨人』がクランクインした軍艦島になるだろう。長崎市内を一望できる稲佐山は夜景のスポットとして定番だが、沖に軍艦島も確認できるので日中の訪問もオススメしたい。

 一方『ばらかもん』の放送が開始される5日は、佐世保市のハウステンボスで「ゲームの王国 in HUIS TEN BOSCH」がオープンすることから、ゲームファンが関心を寄せている。なかでもゲームミュージアムは、1972年からのゲーム機が60種も揃えられた「ゲーム機ヒストリー」のコーナーなどが目を惹く。これから実際に現地へ赴くとなると、どのように予定を立てるべきか悩ましいことになりそうだ。
(文/真狩祐志)

■『ばらかもん』
http://www.barakamon.jp/

■「ゲームの王国 in HUIS TEN BOSCH」
http://www.huistenbosch.co.jp/event/game/

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