根室!釧路!ネクロ? 『フランチェスカ』に『思い出のマーニー』…北海道のアニメに熱視線

1407_hokkaido.jpg北海道文化放送のフランチェスカ公式サイトより。

 7月期より放送開始のアニメは数あれど、そのなかでも『フランチェスカ』は独特だ。アニメ化に際し、3月末のAnimeJapan 2014でも出展があるなど、露出の機会はあったものの、一躍脚光を浴びたのは6月23日の記者会見がきっかけだった。

『フランチェスカ』の記者会見を行ったのは、札幌市の北海道文化放送である。当放送局が制作に出資しているだけあって、もちろん北海道ローカル番組。コンテンツの展開としては、2年前から生みの親である地元IT企業・ハートビットが行ってきた。

 一躍脚光を浴びることになったのは、地元での記者会見を機に、主人公・フランチェスカが“歌って踊れるアンデッド系アイドル”だけならまだしも、そこにクラーク博士、新渡戸稲造、石川啄木、土方歳三など、北海道に縁のある歴史上の人物が関わってくることが道外にも広く認知されたからだった。つまり主人公がアンデッドなら、彼らもまた当然アンデッドとして物語に関わるということなのだ。

 PVを見てみても、本作が独特であることがわかる。キャラクターの動きを見ると、使用ソフトとしてまず「Flash」を思い出すかもしれないが、本作では「Toon Boom」というソフトを使っているという。「Toon Boom」は海外でのシェアが多く、これまでも日本でアピールされてきたものの、国内では「Flash」が圧倒的に強いため未だに根付いていない。本作で初めて主ソフトとなっているのは、その念願を叶えたようで涙ぐましいものがある。作品の設定だけでなく、技術の側面からも興味深いアニメになっている。

 北海道では、初音ミクを生んだクリプトン・フューチャー・メディア、東方Projectのアレンジ曲で知られるIOSYS、村上隆さんが構えたスタジオポンコタンなど、札幌が牽引している部分が何かと大きい。そこへまた名作(迷作?)が現れただけに、今後が気になるところである。

 このほか北海道の関連では、6月21・22日に虻田郡洞爺湖町のTOYAKOマンガ・アニメフェスタが行われ、今年も盛況で終えている。また今年は帯広市を舞台とした『銀の匙』のアニメ第2期の放送と実写映画の公開もあった。そして4月期放送の1クールアニメ『メカクシティアクターズ』も忘れてはならないだろう。原作者のじんさんは北海道出身であり、アニメでも脚本や作曲などを担当するというマルチな活躍を見せた。

 一方『フランチェスカ』の記者会見が行われた同日、釧路市でもある団体が発足していた。団体名は「釧路生まれのマーニーズ」。今月19日に公開が迫るアニメ映画『思い出のマーニー』に関する自主団体である。釧路のほか、厚岸、根室をロケハンしたという『思い出のマーニー』は7月2日に完成報告会見があったため、本格的に来客増を見込んだ準備が進みそうだ。今、北の大地がアニメを中心に熱く燃えている。
(文/真狩祐志)

■『フランチェスカ』
http://www.heart-bit.com/francesca/
■『思い出のマーニー』
http://marnie.jp/

Animate to Harmony: The Independent Animator's Guide to Toon Boom

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「Toon Boom」は、ハートビットが日本での販売を始めるようです。

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