来年度からの聖地巡礼の飛躍を占うコミケットスペシャル6「OTAKU JAPAN観光協会ブース」に期待!
2014.07.04
2015年3月28日・29日の二日間、幕張メッセで開催予定の「コミケットスペシャル6 – OTAKU SUMMIT 2015」にて予定されている「OTAKU JAPAN観光協会ブース」の出展募集が始まっている。
募集案内によれば、このブースは「アニメやマンガ等と連動した街の観光協会、商工会、青年会議所などを紹介し、世界中のOTAKUたちに日本の名所/物産などをアピールする特設ブース」だという。
要は、もはや定番となってきたマンガ・アニメの聖地巡礼に絡めて町おこしを行うさまざまな出展社が集うブースである。
前回、2010年に開催された「コみケッとスペシャル5 in 水戸」は、ちょうどマンガ・アニメによる聖地巡礼が、上り調子になっていた時期。地方都市にありがちな郊外化によって閑散とした水戸市街に参加者が押し寄せて、周囲の商店も予想外の繁盛。地域からは「次はコミケはいつやるんだ?」という話も出たというほどである。
そしてここ数年、閑散としていた地域がマンガ・アニメの力によってにわかに活気づくという事象は、全国各地で見られるようになった。
今や聖地巡礼も一般化。そのため、単にマンガやアニメの作品人気だけで客を呼ぶことができるほど、単純なものではなくなってきている。これまで本サイトでもさまざまな聖地巡礼についてを取材してきているが、その中では、テレビ放映が終わった後、地域からは「まだ劇場版があるから……」とか「テレビ放映も終わったので、もう終わりか」といった受け身の声も数多く聞かれた。
こうした、網を張って運良く魚がやってくるのを待っているようなタイプの聖地巡礼は、もう終焉を迎えつつある。これから生き残りそうなのは、工夫を凝らし作品をきっかけに地域自体の魅力をアピールして、作品の力に頼らなくともリピーターを獲得することができたところだけだ。そして、マンガ・アニメを使った町おこしを行っている各地の人々も、そのことに気づき始めている。
その意味で、今回の「コミケットスペシャル6 – OTAKU SUMMIT 2015」にどんな工夫を凝らしたブースが集まるか、今から大いに注目したいところである。
(文/昼間 たかし)
■「OTAKU JAPAN観光協会ブース 出展団体募集のお知らせ」
http://cmksp.jp/cs6/invitation-for-otaku-japan.html