11話にして主人公&ヒロインの魅力を発揮! 折り返しを前に盛り上がる『M3~ソノ黒キ鋼~』

――毎日、何本ものアニメが目まぐるしく放送されている現代日本。これだけ放送本数が多いと、見るのだって一苦労……。そんな悩める現代オタクのため、「おたぽる」がオリジナル作品を中心にテレビアニメ・レビュー! これさえ読めば、気になるあのアニメのあらすじから評判までがまるわかり!!※本文中には“ネタバレ”が含まれていますので、ご注意ください。

■『M3~ソノ黒キ鋼~
第11話「赤ノ慟刻」

1407_m3_11.jpgM3~ソノ黒キ鋼~公式サイトより。

【今週の極私的見どころ!】
 無明領域へ一人で行く許可を取りにきた鷺沼アカシ(CV:松岡禎丞)に、夏入(CV:飛田展男)が「考えが甘い! キミ(アカシ)一人で無明領域に行くなんて、そんな無謀なこと私が許可すると思ってるのかね!?」と嫌みったらしく言い、「するんだなぁ。甘いの大好きだし(笑)」と無駄に長い一人芝居に爆笑。最後の一言は声優・飛田さんのアドリブでしょうか? 言葉のニュアンスから別の人格が垣間見えました(笑)。

【今週のおすすめ度】
★★★★☆
(前回のあらすじはこちら

 アカシからマヴェスとリムの真実を聞いたガルグイユメンバーは、真夜中にマヴェス2番機・セーブルのリムである破先エミル(CV:日笠陽子)の死について夏入を追及します。夏入は「躯を倒したがっていたエミルには、リムになったのも本望に違いない」と語って聞かせますが、その言葉へ真っ先に反論したのは弓月マアム(CV:福圓美里)。「エミルの気持ちを勝手に決めつけないで!!」と怒りに満ちた声で言い放つのです。

「確かに思い込みは良くないよね~」と気味が悪いくらい素直にマアムの言葉を聞き入れた夏入は、出羽ササメ(CV:小岩井ことり)に「リムになる気持ち」を尋ねます。何も知らないメンバーの前で黙り込むササメ。その左腕に夏入が触れた瞬間、ガルグイユメンバー全員が強く共振し、体が蝕まれていくおぞましい感覚を覚えるのです。「まさか」という思いでササメを凝視したメンバーたちの目の前で、夏入はササメの服を破いて屍鋼化した体をさらします!! ……って何やってんのこのオッサン!? 第2話でセクハラ教官に悪態をついたマアムではないですが、筆者も思わず恨み節を呟いてしまいました。

 また仲間が屍鋼化で死ぬかもしれない、リムになるかもしれない。その事実を知って動揺する霞ライカ(CV:矢作紗友里)に、波戸イワト(CV:前野智昭)は「(俺は)共振した相手があんたで良かった。(心が)キレイだから」と本心を語りライカとの絆を深めます。一方、エミルが生きていることを願って必死に書いた未来小説が「エミルはリムとして生きている」という悲惨な形で現実になってしまったマアムは、「こんな形で生きていてほしかったんじゃないよ!」と号泣するのです。

 ササメを慰めるためにそばにいた真木ミナシ(CV:柿原徹也)は、抵抗するササメを強引に引き寄せてキス――するかと思ったら、おでここっつん。またキスじゃないんかい!!(第7話で似たようなシーンがあった)ネットでも「またかよミナシ!!」「ヒロイン奪うなら強気でいけよ!!」と落胆の声が上がりました。ともあれ額を合わせた途端、ササメの脳裏には神事の儀式のようなものと、幼い双子の姿が映し出されます。どうやらこの子どもたちがミナシとササメであり、ミナシはこの2人が行った何かをササメに伝えたかったようですね。

 その頃、「躯の組織サンプルが手に入れれば、屍鋼化を治せるかもしれない」と夏入に吹き込まれたアカシは、ササメのために単身無明領域へ行くことを決意します。しかし簡単に寝付くことができなかったアカシはバルコニーでササメに会い、リムになる運命を受け入れようとする彼女に「あんたがリムになったら、俺の心は永遠に助からなくなっちまう……」とすがるのです。同調によってアカシの過去を知ったササメは、アカシを守るように抱きしめます。

 ネットでは、このシーンで「アザァァァァァッス!!!!!!」「アカシうらやま(羨ましい)」「オレと代われ」「押し倒せ!」と男性視聴者が大騒ぎ。『M3』放送開始以降、これほどフィーバーした瞬間があったでしょうか(笑)。お互いに相手を好きだと認識した二人は、朝まで抱き合ったままバルコニーで眠りました。目が覚めたササメの前にアカシはおらず、代わりに階下からミナシの声。一通り挨拶を交わした後、ミナシは「ササメが今(アカシに)抱いている気持ちこそが、すべてを動かすんだよ」と1トーン下がった声で腹黒い顔を見せました。この子、ホントに何者? 

 かたやアージェント発進用意をしていたアカシは、阿倉カサネ(CV:前田愛)に「今なら(カサネがアージェントに乗ろうとした時)アオシが拒絶した理由がわかる」と言います。「愛する人を戦わせようとする男なんて、いないんじゃないですか?」その言葉で子どものように大泣きするカサネに初めて心を許したアカシ。穏やかな微笑みを浮かべ、再度無明領域へ踏み入れていくのでした――。



 今回の総合評価の中で印象的だったのは、「ササメのヒロイン度が高い!」「アカシが主人公っぽくなったwww」と主人公&ヒロインへのコメントが多数上がったこと。まだ伊削ヘイト(CV:村瀬歩)には敵わないものの、ようやくメインキャラらしい魅力が視聴者へ伝わったようです。またアカシとアオシの兄弟愛が好評のようで、アオシの人気急上昇に加え、最新2話でアカシの評判もうなぎ登り。「どうせ戦うなら弟と力を合わせたい。リムになっても弟は自分が守る。そんなアオシの兄弟愛が美しい」「アオシを受け入れたアカシが格好いい!」とファンは大喜びです。

 メンバーの心の変化など未来への希望を感じられる演出に加え、一波乱ありそうなミナシの立ち位置をチラ見せした第11話。次回を期待するには十分な30分間でした。このまま盛り上がる演出を続けていってほしいですね!
(文/牧野絵美)

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