TwitterのGIFアニメ対応に歓喜するも、“MP4変換”のみ Instagram対抗への布石か?

 6月17日、TwitterがGIFアニメに対応したことを受けて、IT系の各媒体はこぞって取り上げた。一部のユーザーも喜んでいたものの、“MP4変換によるアップロードのみ”に対応しただけであることが判明するとそのテンションも落ち着いた。

 Twitterの発表では“MP4変換によるアップロードのみ”であることには触れられていなかったのもあるとはいえ、IT系の各媒体は「特オチ」にならないよう、とりあえず「GIFアニメに対応」ということについて記事化していただけで、後に詳細を補足していた媒体はごく少数に留まった。

 2000年代前半までのネットの回線が細い時期、GIFアニメはFlashアニメと同じように動画の表示形式として重宝されていた。GIFアニメはFlashアニメと異なり音声はなかったものの、GIF画像に対応している掲示板では閲覧者のコメントで盛り上がるなど、コミュニケーションの一種として機能していたことを思い出す人も多いだろう。

 作品としては、棒人間を動かす「棒人間」モノが多く見られたが、『ピカプー』など当時の時事ネタを取り入れたものも人気だった。特に、のすふぇらとぅさんの『機動戦士のんちゃん』シリーズが話題を集め、最終的にクオリティとしてGIFアニメは普通のアニメと遜色のないレベルに達していた。コミュニティとしては、イラストやマンガで活躍するコザキユースケさんもメンバーの「大日本動画帝国」が賑わいを見せていた。

 実際のところ、GIFアニメは「アニメ」といいつつも、現在も実写やアニメの動画をキャプチャーしてGIF形式に変換、それらをコラージュして楽しむのが大半である(“神”扱いされていたものは基本的にPhotoshopやAfter Effectsなどのソフトを使用したものが多く、ニコニコ動画で「謎の技術」タグがついている動画にも少なからずその傾向がある)。

 しかし、サービスとしては、昨年TwitterやFacebookにGIF形式で反映が可能な「GIFMAGAZINE」が登場。6月25日にはpixivが「うごイラ」を発表するなど、まだまだGIFアニメの需要は多い。

 今回のTwitterの仕様変更では、アップロードしたGIFアニメはVineと同じくMP4形式の動画に変換されている。そのため「Vineでもいいんじゃないのか」という声も聞かれている。「6秒動画」をうたうVineは、瞬間芸を競うユーザーを爆発的に増やして急成長した。日本でも女子高生の大関澪花さんなどが絶大な支持を集めている。

 このVineもYouTubeなどと同様にTwitterとの連携が可能になっているが、実は今回のGIFアニメのアップロード対応はVineの仕様と似ているのである。仕様の確認方法としては、PCではWindowsユーザーならお馴染みの右クリックを動画の上で行えばOKだ。なお、TwitterはVineを12年に買収しているため、頷けるところもあるに違いない。ちなみにTwitterはVineを買収したのと同じ年に、Instagramを非表示にしている。一方のInstagramはFacebookに買収されている。これも同年12年の出来事だ。そしてInstagramは昨年、これまで画像のみ投稿可能だったところを、15秒までの動画のアップロードに対応した。

 こうした経緯から注目すべき点は、TwitterにはGIF形式(実際にはMP4変換)であればVineよりも長い6秒以上の動画をアップロードできるところにある。その観点からすると、今回のTwitterのGIFアニメ対応は、動画形式といった表面的な部分ではなく、Twitterでの動画利用の応用範囲を広げるための布石と言えるのではないだろうか。
(文/真狩祐志)

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