アヌシーとザグレブで日本作品が数々受賞! 一方、広島は日本の“入選なし”の事態が発生

 6月14日(現地時間)、フランスで開催されていた第38回アヌシー国際アニメーションフェスティバルが閉幕した。同日はコンペティションにノミネート(入選)されていた作品の中から各受賞作品も発表された。日本の作品では長編部門で『ジョバンニの島』が審査員栄誉賞、CM部門で『Tissue Animals』がグランプリ、短編部門からCANAL+ Creative Aid賞として『Wonder』が受賞した。開催前に発表されていた特別栄誉賞の高畑勲監督と合わせると、4受賞になる。

 一方、先にクロアチアで開催されていた第24回ザグレブ国際アニメーションフェスティバルでも、日本の作品では短編部門で『布団』が審査員特別賞、学生部門で『肛門的重苦』がグランプリと『Maze King』が特別賞、CM部門でポーランドと共作の『Shape』と4作品が受賞となった。

 ちなみに毎年、アヌシーとザグレブは日程が連続しており、双方に作品がノミネートされている場合は移動に気を遣う必要が生じてくる。それを踏まえて、先に行われるザグレブは結果の発表を会期終了前日に行っているものの、それでもザグレブの最終日を移動日とするか、アヌシーの初日を移動日とするかが悩ましいところとなっている(ザグレブは隔年で開催してきたが、2005年から毎年開催に変更、長編と短編その他を交互に審査するようになっており、今回は短編その他の年になる)。

 一方、ザグレブが始まる直前、第15回広島国際アニメーションフェスティバルのノミネート作品が発表され、騒然となっていた。なんと日本の作品が1作品も入っていなかったからである。広島は隔年の開催で、受賞対象となるコンペティションは短編部門のみという映画祭として知られている。さらに広島はほかの映画祭とは異なり、長編以外の作品を部門分けせずに押しなべて審査するという特徴がある。

 アヌシー、ザグレブ、広島、そしてカナダのオタワとで“世界4大アニメーションフェスティバル”と称されているが、それぞれの回で審査員も異なるため、賞の傾向を掴むのは困難とされている。しかも同一作品でノミネート、ましてやグランプリを制するのは至難の業である(2003年に『頭山』でアカデミー賞にノミネートされた山村浩二監督は、同作でアヌシー、ザグレブ、広島を制したが、オタワでは受賞していない)。

 今回、日本の作品ではアヌシーが長編以外では12作品、ザグレブは10作品がノミネート作品として選ばれていた。それだけに今回の広島の“ノミネートなし”については一層寂しいものに映るが、あくまでも国際映画祭であるので、ホーム優勢とならないのは、ある意味公平であるとも言えるだろう(コンペティション以外であれば、日本を特集するプログラムも組まれている)。

 今後、広島は8月21日から開催、オタワは9月17日から開催という日程になっている。なお、オタワについてはノミネート作品の発表はこれからとなるので、どんな作品が選ばれることになるのか楽しみに待ちたい。
(文/真狩祐志)

■アヌシー国際アニメーションフェスティバル
http://www.annecy.org/
■ザグレブ国際アニメーションフェスティバル
http://www.animafest.hr/
■広島国際アニメーションフェスティバル
http://hiroanim.org/
■オタワ国際アニメーションフェスティバル
http://www.animationfestival.ca/

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