必殺技から架空の兵器まで…マンガ・アニメ・ゲームの“原作再現”が映すファンたちの姿

 日本のマンガ・アニメを愛する海外オタク勢は、発想スケールの大きさで勝負しようとする風潮が強い。ドイツ人ファンによる『進撃の巨人』実写化動画は、まるで公式PVかと思ってしまう驚異的な完成度(外部参照)。ほかにも再現例を探してみるとマンガ・アニメでは『NARUTO-ナルト-』や『ドラゴンボール』、ゲームでは『メタルギアソリッド』や『バイオハザード』などが目立ち、なんとなく海外ファンにウケそうな作品の傾向がどんなものか理解できる。広いロケ地を確保しやすいというのは、日本にはない強みかもしれない。

 こうした国内外を問わず存在する原作ファンの“再現熱”はグッズを開発するメーカー側も理解しているらしく、負けじと本気なのかギャグなのか判別しにくいほど再現度の高い製品をリリースしてくることもある。 。たとえば人気マンガ『孤独のグルメ』主人公・井之頭五郎の可動式フィギュア(外部参照)は箸や茶碗など小道具類が付属するだけでなく、作中たったワンシーンの登場にも関わらず強烈なインパクトを残した関節技(アームロック)まで再現可能。また、プレミアムバンダイにて発売予定の『HUNTER×HUNTER』主人公・ゴンのフィギュアは、彼の極限戦闘形態――通称「ゴンさん」をおそるべきクオリティで立体化。明らかにウケ狙いに来ている公式販売ページ(外部参照)は一見の価値どころか、必見だ。

 マンガやアニメなど日本のポップカルチャーを海外へ広めるべく、政府が推進している「クールジャパン」。児童ポルノ法改定案にマンガやアニメまでを調査対象に含めようと動く与党議員がいる一方で、コンテンツの知名度を対外広報に利用しようとする政府の“都合のいい考え方”に冷ややかな反応を示す日本人は少なくない。だが、今回紹介したように原作を心から愛し、全力で再現しようとするファンたちの熱意は、そんな思惑から解き放たれた完全に自由なものだ。『キャプテン翼』に憧れて一流のプロになったサッカー選手は世界中にいるが、誰一人として強制されたわけではない。

 大した金儲けにもならず、途方もない手間とコストがかかり、完成しても賞賛されるとは限らない――それでも心のうちから溢れ出る情熱につき動かされ“原作再現”に挑み、その偉業を見て喜ぶファンたちの姿は、マンガやアニメが本来どうあるべきかを考えるきっかけになってくれるのかもしれない。
(文/浜田六郎)

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