エロマンガは、性犯罪のシミュレーションに使われている!? 自民党・土屋議員が法務委員会で気炎を上げる

※当記事の本文中「」内の発言は、一部、表現の整理などを施したものとなります。

1406_tsuchiya.jpg自民党・土屋正忠議員の公式HPより。

 自由民主党・公明党・民主党・日本維新の会・結いの党、五党の合意により、6月4日に衆院法務委員会を通過した児童ポルノ法改定案。

 当日の午前中いっぱい行われた審議の中で、やはりマンガ・アニメも規制するべきという立場から質疑を行ったのが、自民党の土屋正忠議員だ。土屋氏は武蔵野市議を2期、武蔵野市長を6期務めた後に、2005年の衆院選で初当選。09年には、落選し浪人を余儀なくされたが、12年の衆院選で衆院議員に返り咲いた人物だ。

 土屋議員は、10年5月4日に読売新聞に掲載された記事「女児襲う漫画手つかず」を挙げ、エロマンガ家が児童ポルノ法違反で逮捕された実例があると主張。さらに、11年に、熊本市のスーパーで3歳女児が誘拐された後殺害され死体を遺棄された事件を取り上げて、次のように語った。

「今朝の新聞の事案は、実在する女児の映像だけ(犯人が逮捕された旧・今市市の女児殺害事件のこと)。それに対して、この事件では児童ポルノマンガは犯罪に結びついた。わかりやすくいえば、(マンガで犯行を)シミュレーションしていたとも考えられる」

 このように、なぜマンガ・アニメが規制対象に入っていないのか疑問を投げつけた土屋氏に対して、質問に答えたのは谷垣禎一法務大臣だ。

 谷垣大臣は言う。

「マンガ・アニメの中には子供の性を弄ぶものがある一方で、表現の自由もあるというのが、法務大臣の立場。だが、現在の児童ポルノ法の一番最初の提出をした者として、なぜコミックスは処罰できないのか考えたこともあります。スウェーデンの女王から直接要請を受けたこともあります。ただ、この法律は社会ではなく個人を守るもの。ですので、写真のほうをやってから、(マンガ・アニメの規制については)後日の議論に任せようと考えるわけです」

 ひたすらマンガ・アニメに関する附則を削除するべきでない、と訴えた土屋議員だが「自分もマンガは読む」として、次のように語る。

「私も『鉄腕アトム』から『火の鳥』まで、手塚治虫のマンガは全部読んでいます。『ゴルゴ13』は麻生(太郎)副総理の次の愛読者です。最近読んだのは『テルマエ・ロマエ』です。創作物というのは、人に希望を与えたり励ましたりするものです。気持ち悪くて劣悪なものは読む気がしない。(法律によって)表現が萎縮するというが、萎縮してもらわないと困る。心あるマンガ家ならわかってくれる」

 そして、ついには、児童ポルノ法を「国家秩序の根本に関係すること」とまで語ったのであった。

 自分の持ち時間が終わった後も、土屋議員は絶好調でヤジを飛ばす。民主党の枝野幸男議員が、はるか昔に購入した児童ポルノにあたるものが掲載されている雑誌を所持していた場合は、どう判断されるのかと質問している際には……「たまったホコリの量(で購入時期を判断するん)だよ!」。

 さらには、「事件は、起こっているんだよ!」「萎縮したってしょうがねえんだよ」と、不規則な発言をやめる気配はなかった。

 すでに五党の合意が成立している中で、ひたすらマンガ・アニメにこだわった土屋議員。今回の児童ポルノ法改定案の採決の際にはどうするのかと思ったら……「賛成!」と叫びながら立ち上がったのであった。
(取材・文/昼間 たかし)

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