“座席に余裕あり”『黒子のバスケ』イベントで異例の事態 その原因は“円盤商法”!?

2014.05.29

アニメ黒子のバスケ公式HPより。

 去年から今年にかけて、男子高校生の水泳を題材にしたアニメ『Free!』から、同じく男子高校生のロードレースを描いた『弱虫ペダル』(秋田書店)へのファンの移動が“腐女子のトライアスロン”と名づけられたことに象徴されるように、女性人気の高いジャンルの変化は激しい。そんな中、爆発的流行から2年経った今でも、多くのファンから圧倒的支持を得ているのが、『黒子のバスケ(以下黒バス)』(集英社)だ。5月28日、アニメ3期の放送が決定とネットで情報が流れると、Twitterでは「嬉しすぎる」といった喜びの声が殺到するなど、その人気は衰え知らずだ。(公式発表はまだされていない)

 そんな『黒バス』だけあって、出演する人気声優陣が参加するイベントとなると、そのチケットは入手困難のプラチナチケットに変身する。現に2013年7月に舞浜アンフィシアターで開催された初のオフィシャルイベント「KUROBAS CUP2013」は、転売防止のためにチケットの本人確認が設けられたにもかかわらず、チケットは高倍率に。チケットが入手できず泣く泣くイベントの参加をあきらめるファンが続出した。

 しかし“黒バスのイベントは入手困難”という従来のイメージを覆す出来事が起こった。5月29日、『黒バス』の主要キャラのひとりである火神大我を演じている声優・小野友樹が「6/15は黒ラジイベント!申し込み締め切り、6/1に迫ってます。座席まだ余裕ある模様!」とTwitterで発言し、ファンの間で「黒バスのイベントなのに座席に余裕があるの!?」と話題になった。

 この“黒ラジイベント”は、ラジオ『黒子のバスケ 放送委員会』の公開録音と、Blu-ray・DVD「黒子のバスケ 2nd SEASON」第6巻に収録されるOVA「もう一回やりませんか」の先行上映、同じく主演声優の小野賢章と小野友樹がラジオのOPとEDを披露するというもの。出演陣は先の小野賢章と小野友樹に加え、諏訪部順一、鈴村健一、鈴木達央と豪華な顔ぶれ。『黒バス』ファンのみならず、声優のファンなら参加したいと思うはずの内容だ。

 こんなに豪華なイベントで締め切り直前にもかかわらず、座席に余裕があるということは、いよいよ『黒バス』人気も落ちてしまったのだろうか?

 しかし実は、このイベントに参加するには、「黒子のバスケ 2nd season 4」のDVD/ Blu-ray、ラジオCD「黒子のバスケ 放送委員会」vol.5、「黒子のバスケ」オリジナル・サウンドトラックCDの3点をアニメイトで購入し、やっと応募ができるというものなのだ。ファンの中には「当たるかどうかも分からないのにグッズ3つは買えない」と最初から戦線離脱する者もおり、どうやら最近お馴染みの“円盤商法”によって、こうした事態に陥ったようだ。

“円盤商法”をしないとDVDやCDが売れず続編が作れない……といった大人の事情もあるかもしれないが、決まったおこづかいの中でやりくりしないといけない中学生などの若いファン層にとっては、ハードルの高いイベントとなってしまった。

『黒バス』3期では海常VS福田総合の一戦で灰崎に対し「見た目だけでうじゃうじゃ群がってきたバカ女のうち一人とったくらいで調子のってんじゃねーよ」と言うゲス黄瀬や、アニメ2期では謎のベールに包まれたままの赤司様の動向などファン必見のシーンが放送されるはずなので、期待が高まっている。それだけに、今回のようにファンを絞るイベントは少し残念な気もするのだが……。

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