声優・タカオユキが語った! 声優にかける想いとアニメへの偏愛「アニメに救われた」

2014.05.27

注目の若手声優・タカオユキ。

 今期アニメ『ブレイドアンドソウル』の主役・アルカを演じるタカオユキ。2013年のアニメ『君のいる町』で、主人公に思いを寄せるクラスメイト・神咲七海に抜擢されて声優デビューをし、一躍注目を集めた新進気鋭の声優だ。デビューまもなくして主人公キャラを務めるなど、シンデレラ声優ともいえる彼女が声優になったきっかけから、つらい時にアニメに救われたというエピソード、“憧れオタク”と自称する自身のオタク遍歴までを聞いた。

――まず、タカオさんが声優になるきっかけとは何だったのでしょうか?

タカオユキ(以下、タカオ) もともと、中学校時代から声優のオーディションなどを受けていたりしたんです。独学だったんですが……。そんな中で、今の事務所に入ってレッスンをして、『君のいる町』のオーディションを受けたんです。実は、オーディションは、(実際に演じた神咲七海役ではなく)全然別の役で受けたんです。でも、原作を読んでいた時から私は七海がすごく好きだったんですね。それで当日、(原作者の)瀬尾公治先生が「タカオさんに七海を試しにやってもらいたい」と言ってくださって、5分間トイレで練習してやってみて、七海役をいただけました! そこから今につながっていますね。

――アフレコのレッスンなどもやられたのですね?

タカオ 声優のためのレッスンでしたね。レッスンに加えて、自分でも好きなアニメ(のセリフ)をWordで書き起こして、映像を消音にしながらアテレコしてみたり。それをマネージャーさんに送ったりしました。自分がアテレコをやりたいだけかもしれないですけど(笑)。

――マネージャーさんの反応はどうでした?

タカオ 七海はふんわりしたキャラだったんですけど、私は少年役に憧れているんです。それで、マネージャーさんには「(演じるのに)少年役もいいかもね」って言ってもらいました!

――それでは実際、声優業界に入ってみて、イメージと違った部分はありますか?

タカオ 入る前は正直、アフレコ現場が想像できなかったんです。例えば今演じている『ブレイドアンドソウル』はストーリーがシビアで、人が斬っては殺され……と、殺伐としてるんですけど、現場はすごく和やかでギャップがすごいです(笑)。最近はネットでも現場の様子を見られますけど、そういった雰囲気は実際に入ってわかったことです。

 今の現場だと、高垣彩陽さんとか井上麻里奈さんが優しくて、「腹で声を決めたらいいよ、私もそう教わったんだ」って、先輩に教えてもらえて「私は幸せ者だな」と噛みしめています。『君のいる町』の頃から、ベテランの声優さん、監督さん、音響監督さんで「こうしたら良くなるよ」と言ってくださる方も多いです。デビューしてからは、現場で成長させてもらっているな、と感じてます。

 私、デビューしてからしばらくは、「完璧にやりたい」と思っていたんです。でも、「それじゃだめだな」と。台本を読んで自分の役のセリフを練習して臨んでいたら、“自分とマイク”だけで演じている自分がいました。最近になって、現場はみんながいるから成り立っていて、相手のセリフが自分の思っていたのと違うふうに来たら、練習していたのを捨てて返そうと思っています。作品は相手との対話で生まれるものなんだなと気づきました。そこはまだまだ自分が未熟だと思う部分です。でも、挑戦して失敗してもいいから、良い作品を作りたいという気持ちが強いです。「監督のOKをもらいたいから、いい子ぶる」じゃなくて、魂をぶつけようと。

――なるほど。先輩たちに支えてもらいながら、今まさに成長中といった感じですね。今後、声優としてはどんな仕事をしていきたいですか?

タカオ 目の前の『ブレイドアンドソウル』はもちろん、みなさんにもっともっと知ってもらうために、たくさんの役柄を演じてみたいです。いつかは少年役も!

■アニメ『パワーパフガールズ』に救われた在米時代

――先ほどのお話では、声優のオーディションを中学生から受けていたということですが、いつ頃から声優に興味があったのでしょうか?

タカオ 最初に“声優”という存在を知ったのは、小学校の頃に、風の噂で「『名探偵コナン』の江戸川コナンと『忍たま乱太郎』の乱太郎が、一緒の声だ」って聞いたんです。それまでエンドロールの文字面なんてまったく興味なくて、「一緒の声ってどういうこと?」と思っていたんですが、“声優”というのを、そこで初めて知りました。コナンと乱太郎は高山みなみさんがやっているんですが、女性の方が男の子の役をやっているのに感動して、「声優さんってすごいな」と思ってましたね。

――もともとアニメは結構見ていたということですか?

タカオ 自分でアニメを見ているという感覚はなかったんですが、幼稚園では『美少女戦士 セーラームーン』にぞっこんでした。あ、私、月野うさぎちゃんと誕生日、星座、血液型が一緒なんですよ!! 後で知ったんですけど(笑)。

 それと、兄の影響で『ボンバーマン』とか『ドラゴンボール』とか。中学校の時は「週刊少年ジャンプ」系にハマって、『NARUTO』『ヒカルの碁』『HUNTER×HUNTER』のアニメも見てましたね。ロボットアニメも好きで、『コードギアス 反逆のルルーシュ』や『革命機ヴァルヴレイヴ』も見てました。ジャンルに統一性はないですね。

 私、夢の中で作品の世界に行ったことがあるアニメが歴代でいくつかあるんですけど……。『名探偵コナン』と『ボンバーマン』と『NARUTO』は、寝た時に夢でその世界に入っていってましたね。私がお姫様的な存在で、ボンバーマンに救ってもらうみたいな(笑)。

――結構どっぷりハマってますね。

タカオ 私、「あのアニメのキャラになりたい!」という憧れがあったので、“憧れオタク”ですかね。『カードキャプターさくら』にハマった時は、ローラーブレードで学校に行こうとしたり、親に泣きついて家事を手伝ってクロウカード一式を買ってもらって、投げてみたり……。今、上京して一人暮らしなんですが、そのクロウカードは今もお守りのように持ってきてるんです。今はなかなか売ってるところがないんじゃないかな? しめしめと思ってます(笑)。

 それと、私は小学3年生の終わりから5年生の終わり頃まで、アメリカに住んでたんですが、英語がまったくわからなくて友達もできなかったんです。そんな時に、カートゥーン・ネットワークで『パワーパフガールズ』を見て英語を覚えて……。その時、「アニメって、国境を越えて、こんなに感動するものなんだな!」と感じたんです。そこからグッズ集めも始まって、今でも実家に帰ったら、枕カバーからベッドシーツ、カーテンまで『パワーパフガールズ』なんですよ(照)。

――なるほど、アニメに救われたわけですね。

タカオ アメリカで友達もできて、『パワーパフガールズ』の話をしたこともありましたね。それと最近は、バスで偶然会った知り合いと「話すことないな……」って時に「アニメとか見る?」って聞いてみたら、見てなさそうな人だったのに意外と見ていて盛り上がったりしますね。私が見ていないアニメをオススメしてもらったり。

 でも、自分がアニメ見てたりとか、オタクかもしれない要素って人にあまり話さないので、むしろそういう友達が欲しいと思ってます。みんな言わずに(アニメを)見てるんじゃないかな? って。この前、人生で初めて握手会をやらせていただいたんですが、アニメのことを教えてくれる人もいっぱいいますね。

――握手会は実際にやってみてどうでしたか?

タカオ 握手会をやる前はどんな感じかわからなくて、変な話、嫌かもしれないって不安だったんです。でも、実際はびっくりするくらい楽しくて、握手会を楽しめた自分がいて、嬉しかったですね。感動を与えたり、楽しんでもらう仕事をするのに自分が楽しくなきゃ嫌だな、って思っていたので、私が“声優に向いているところ”があるとすれば、自分が楽しめていることかな。

――今後もいろいろな場面でのタカオさんの活躍を期待しています。それでは最後に、読者の方に一言お願いします。

タカオ 私はブログをやっているんですが、趣味でお弁当を作ってアップしたりしているので、ぜひ遊びに来てください♪

――本日はありがとうございました!
(取材・構成/編集部)

■タカオユキ
1990年6月30日生まれ。声優。
『君のいる町』神咲七海役でデビュー後、現在放送中のアニメ『ブレイドアンドソウル』で主人公・アルカ役を演じている。8月23日公開の映画『思春期ごっこ』でスクリーンデビュー。5月28日からは都内3箇所で握手会が決定している。
詳細はオフィシャルHPへ。http://takaoyuki.com/

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