KADOKAWA刊のマンガ『妹ぱらだいす!2』が、“史上初”の都条例新基準適用で不健全図書指定へ!

 東京都は12日に開かれた東京都青少年健全育成審議会で、2010年に改定された青少年健全育成条例の新基準を初めて適用して不健全図書指定の諮問を行ったことがわかった。不健全図書の公示は16日に行われる予定だ。

 今回諮問されたのは、KADOKAWAが今年3月に発行した単行本『妹ぱらだいす!2~お兄ちゃんと5人の妹のも~っと!エッチしまくりな毎日~』。この作品はアダルトゲームのコミカライズで、現KADOKAWAの社内カンパニーであるエンターブレインが発行するアダルトゲーム情報誌「TECH GIAN」に連載されたものをまとめたもの。本作を掲載していた「TECH GIAN」は、表紙に「18禁」を表示する自主規制は行っているが、この単行本では「18禁」表示が行われていなかった。

 ある消息筋によれば、本作について「都側は従来の基準であれば問題ないが、新基準では該当する」ということだ。2011年の改定条例施行以来、新基準での不健全図書指定が初めて適用された背景には、東京都の青少年・治安対策本部総合対策部青少年課長の人事異動の影響を指摘する声もある。この春より、都職員出身だった佐藤久光氏が異動し、新たに警察庁より出向してきた野村朋美氏が青少年課長に就任している。

 石原都政下で青少年課が青少年・治安対策本部の部課になってから、青少年課長職は警察庁からの出向者のポストになっていた。2010年の都条例改定問題の際の課長・櫻井美香氏から、黒川浩一氏まで出向者が続いた後、2012年に都庁職員出身の佐藤氏が課長に就任したことでこの慣習は途切れたかと思われた。しかし、再び警察庁からの出向者が課長に就任したことで、新基準の適用が相次ぐ可能性も少なくない。

 一方で、KADOKAWAの不健全図書指定制度への無理解を指摘する声もある。同社では、これまでも18禁の自主規制を行っている雑誌に掲載されたマンガを、自主規制なしの全年齢向けで発行してきた前例があるからだ。2012年には、アスキー・メディアワークス(現在はKADOKAWAの社内カンパニー)が発行した単行本『ぽちとご主人様』が書店で「大丈夫!!アスキー・メディアワークスの一般コミックだよ!!」と煽るPOPで販売された挙げ句に不健全図書指定を受けている。(参考記事:http://www.cyzo.com/2012/10/post_11615.html

 青少年課長の人事異動と共に、不健全図書指定の方針は大きく変わったと思われる。果たしてKADOKAWAが不健全指定に臆することなく従来のやり方を貫くのか、成年マークつきにシフトするのかも注目したいところだ。

 なお、日本雑誌協会は「16日に都知事による告示が出るまでは、コメントを控える」としている。
(取材・文/昼間 たかし)

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