特撮ヒーローのはずがまるで“昼ドラ”!? 刃傷沙汰まで飛び出した『トッキュウジャー』

 そして、そんな戦いの最中、なんと思いつめたグリッタ嬢(CV:日高のり子)が、婚約者である皇帝ゼットの刺殺を計ります。ところが皇帝ゼットは、グリッタ嬢の凶行に気づいた上で「気に入ったぜ」と彼女の頬にキスをするという色男な振る舞いを。しかも、それがグリッタ嬢が片思いしている相手・シュバルツ将軍(CV:壤晴彦)の目前でというのですから、今回は日曜朝の元気な男の子向けのヒーロータイムから、大きなお友達向けのコスプレタイムへ、そしてお昼のマダム向けのソープドラマへと、ジャンルオーバーにもほどがある展開です。

 一方、巨大化したランプシャドーには、トッキュウレッシャー五台にサポートレッシャー三台が合体した超烈車合体による超トッキュウオーで応戦。トッキュウオーやディーゼルオーの質実剛健な合体っぷりには慣れたつもりでしたが、学生街のデカ盛り食堂並にすべてを足し算で解決するこの力技には感服です。なんせ必殺技が“超トッキュウオー フルバースト フィニッシュ”で、やられるランプシャドーさんの最期の言葉が「な、なんかスゴイ」ですからね。もう意味とか理屈とかをこえた“トッキュウジャー力”としかいいようのない、強大なパワーが映像から伝わってくるようです。

 さてさて、物語の鍵となる秘密基地の記憶の断片を取り戻し、五人の絆の深さを再確認。そして新たなロボも手に入れるなど、あまりの充実した内容に「いい最終回だった」と言いたくなりましたが、これでまだ彼らの旅路はまだ四分の一! さらに、一部では本筋より注目されているグリッタ嬢のラブストーリーや、今回皇帝ゼットへの不満を露にしたネロ男爵(CV:福山潤)など、波乱含みのシャドーライン側の動向からも目が離せません。

 烈車戦隊トッキュウジャー。勝利のイマジネーション! 出発進行!! 次の停車駅は、ライトとミオのケンカが勃発! 「第13駅 走れ消火器」です。次回、次々回の脚本は、4年ぶりの戦隊シリーズ執筆となる大和屋暁さん! 個性的すぎる脚本で知られる浦沢義雄門下の方だけに、どんな話になるか要注目。ちなみに『トッキュウジャー』執筆直後、大和屋さんの持馬・ジャスタウェイ(オタクなら由来はわかるな?)が、ドバイG1を制覇、賞金およそ三億円を獲得したそうです。この勝利のイマジネーション! のご利益、あやかりたい人もそうでない人も、お乗り遅れのないようご注意ください!!

 EDの列車紹介はJR九州の「SL人吉58654号機」と嵯峨野観光列車の「トロッコ列車」、ひたちなか海浜鉄道の「キハ3710形」でした。
(文/雑賀洋平)

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大和屋暁さんの脚本が楽しみでなりません。

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